公開日:2024.11.28 更新日:2024.11.29
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。ソラノデザインの角田です。
今回はいつもと違った文脈、「チーム組成」「健康管理」についてのお話しです。
正直ここに関しては一番私は経験も浅く、
最近ようやく、痛い経験から学び始めたところ。
特にベンチャーやスタートアップでのチーム組成については、
実体験から考えるに、とても複雑なんじゃないかと。
今回はそんな私の情けない失敗談を踏まえて、
改善のために何をするべきか、そんな言語化をしていきたいと思います。
目次
事業の立ち上げにハードワークは必要か?
「事業を作る」「ブランドを作る」
年に1回ほど、コンサルとして事業作りに携わるのですが、
年に1〜2案件と決めています。
というのも、事業を作ると言うのはとても大変なことであり、
貴重なことであり、また、運も良くないと実現しない。
本気で取り組まないといけないからこそ、年に何件もこなせません。
それくらい大変な作業です。
当たり前ですが、「事業作り」「ブランド作り」なんて、
普通に生きていたらなかなか経験できないですよね。
そんな経験を得るためには、ハードワークも必要。
それがこれまでの私の理屈でした。
ハードワークなしで立ち上げられないだろうか
現在弊社で行なっている、WEB制作事業、通販事業共に、
結果的には私のハードワークの上で余剰キャッシュが生まれ、
事業を作るキャッシュができた。
というのは、結果論としては間違っていないのですが、
今もう一度事業を作るのであれば、
もしかするとハードワークなしで構築する方法を模索したかもしれません。
というのも、ハードワークでの事業立ち上げは、
健康面でも、チーム組成面でも、
本当につらいことばかりです。
ハードワークして事業を立ち上げる2つの問題
ハードワークでの事業立ち上げには、下記の問題が発生しがちです。
①チーム組成に関する問題
②ヘルスケアに関する問題
チーム組成に関する問題
まず実体験として、
事業立ち上げ期に「事業立ち上げ期だ」と自覚して働くスタッフは、
意外にもそう多くはありません。
また、
「事業立ち上げのハードルの高さ」
「些細なことで会社が潰れる危うさ」
も、なかなか社内に浸透させるだけで一苦労です。
そのため経営者側からすると、
「なぜ事業立ち上げ期にそんな働き方なんだろう。頑張って作ってる会社を潰す気なのかな。。。」
といった気持ちが生まれ、
スタッフ側からすると、
「普通に働いているのになんでそんなにピリピリするんだろう。怒られるんだろう。。。」
といった気持ちが生まれます。
「創業メンバーって誰も残らない」、と色んな会社で言われる原因の一つですね。
ゼロイチあるあると言いますか。
特に我々のような地方企業は、
メンバー全員が事業立ち上げに向いた人材、
自分たちが事業立ち上げに携わっている自覚がある人材、
なんてことは採用市場的にほぼあり得ないので、
こういったトラブルはあちらこちらで聞きます。
逆にトラブルのない会社は、
既に事業立ち上げ期が終わっており、
「経営サイドの期待値」と「スタッフサイドの期待値」が調和しているので、
うまく行きがちです。
みなさんもこれまで上手くいったチーム、
上手くいかなかったチームで、
この体験をした事がある方も、いらっしゃると思います。
私もなんなら昨日まで、「皆が売上を追うチーム組成をしたい」と思っていましたが、
一旦、苦労が少ないチーム組成をしようかなと。
ようやく期待値を下げ、
コア業務の権限委譲は5年後〜などの事業計画にシフトし始めたくらいです。
この辺の経営者や役職者層 × スタッフ層の認識の乖離は避けて通れないなと、
受け入れて設計し直していますね。
SNSなどを見てると「良いリーダー」の定義も利益や法人の持続は関係ないくらいなので。
ヘルスケアに関する問題
もうひとつハードワークには問題があります。
こちらは絶賛今、私がぶち当たりました問題です。
じゃあ経営者の自分が死ぬほど働いて事業を立ち上げよう!
といった経営スタイルをとった結果、健康を害します。
(冷静に言語化してみると、なんてバカなんでしょう自分。。と書きながら思いました。)
現在、重病ではないものの、実は少し体調を崩し、
2024年末までの半年間、会社をシュリンクしてユルりと働いています。
端的に言って働きすぎまして、
「ストレス性の〇〇炎」みたいのにかかりましたね。
メンタルもかなり持ってかれていて、
正直やっと最近回復してきたくらいです。
(回復一歩手前なので、コラムで公開できました。
クライアントの皆様、現在の業務に支障はございませんので、ご安心ください。)
じゃあどうやったら無事に事業を立ち上げられるんでしょう?
最近よく考えるテーマではありますが、
2軸あるかなと思っております。
コアメンバーは自分1人、といった状態でブレイクイーブンまで進める。
ブレイクイーブン、
かっこつけない言い方をすると損益分岐点ですかね。
そこを超えるまで、もうコアメンバーは自分1人で作っていく。
これは再現性のある解決方法なのではないかなと思っています。
スタッフを雇っても、意思決定を任せたり、
一緒に立ち上げるのではなく、
指示通りに動いてもらう。
その分成長曲線や売上は、下がるときは下がると思います。
しかしそうすれば前述の期待値の乖離問題は解決できますし、
ノンコアメンバーの人件費は言い方を悪く言えば安いので、
キャッシュもある程度楽になり、
少し余裕が生まれハードワークしなくともよくなります。
能動的に動いてゴリゴリ働く、
「コア業務」を行う人材には、その分の高い人件費が必要です。
これまで私は、雇ったスタッフを「コアメンバーにする」と勝手に思い、
高い人件費を払っていましたし、
事業が伸びた時に大きなキャッシュを渡す、そんな成果報酬の設計をしていました。
しかし指示通りに動いてもらう人材、
「ノンコア業務」を行う人材の人件費は、
相場から見ても、かかるキャッシュはそう高額ではありません。
コアメンバーは自分1人、といった状態でブレイクイーブンまで進める事で、
様々な問題が解決するでしょう。
コア業務は楽しい反面、チーム組成や事業へのインパクトが大きい。
コア業務をスタッフにお願いするなら、
裁量権を持たせるために心理的安全性を実装したチーム組成を、
事業立ち上げと同時に行う必要があります。
これが経験上、まぁ中々重たい。
あらゆるビジネス書に「心理的安全性と責任感を両立して育てないと、ぬるま湯組織になる。」
とありますが、
言うは易く行うは難しです。
「売上責任」「チーム組成の責任」「情報伝達の責任」「成果への責任」等、事業立ち上げでは責任だらけ。
むしろ心理的安全性を提供しようとすることで、
その責任に潰れる子、逃げちゃう子の方が多いんじゃないかと思います。
“心理的安全性が正しく機能している組織”は本当に作るのが難しい。
というか何でしたら私ですら”立場”が違えば、
あの人がああ言ったから、あの人がああだから、と、
自責思考なんて放り投げて、逃げ回ってた自信がありますね←
最初から資金調達して博打を打つ
スタートアップ企業の倒産率を調べると、
「起業から3年で92%の企業が潰れる」といったデータがありますので、
個人的にはあまり好きではないのが、
ファイナンス(デットやエクイティでの調達)でハードワークを避ける方法です。
資金が潤沢にあれば、余裕を持って事業立ち上げができる反面、
タイトルにある通り私個人的には博打だと思っています。
資本政策として私が好きなのは、
ゼロイチはノーファイナンス、ハードワークで立ち上げ、
キャッシュを突っ込んだら伸びる!といったポイントが見えてきたら、
そこで初めて資金調達。
といったスタイルなのですが、
私好みの資金調達タイミングでは、
根本的にこのコラムの主題である、「ハードワーク」を避けられていないので少し論点がずれますよね。
ハードワークを避けるためには、創業時の資金調達が必要です。
なので「伸びるかわからない事業に対して借金する」という、
この大きなリスクを許容できるのならば、
といった前提で、
チーム組成問題と健康管理問題は、資金調達で解決できる可能性があります。
チームと健康、この2軸に重きを置いて、リスクを取る事業立ち上げも、
少し体調を壊した今なら「ありだったかな」と思わなくもないです。
んー、でも最悪の場合、事業が伸びなければ、
借金は沢山あるしハードワークもしなきゃならないし、
といった2重苦に苛まれる可能性がある、そんなことを考えたら、
私は個人的にはこの選択をとる勇気がないですかね。
コア業務を任せられるメンバーを集めて組織力で事業を作る
理想を言えば、この選択肢はあると思います。
実際にこういう立ち上げ方をしたチームもいるでしょう。
ただ経営者層と同じ視座で仕事できる人は、
いるのならばすでに起業していたり。
社員としては働いてくれなかったり。
お互い仕事にプライドがある分揉めたり。
そういうケースが多いです。
業務委託などなら再現性があるかもと思いますが、
コア業務を任せられる能力と責任感を持ったメンバーを、
創業時に集めるのは中々の運も人脈もいると思っています。
あくまで私いち個人的には、再現性が少なめだなと結論づけました。
もし再現性があるのなら「元々別事業でそこそこ大きな会社だった」など、
厳密には事業立ち上げ期ではないなどで、
人を集める何かしらの魅力や体制が整っていた場合などですかね。
東京だとまた話は違ってくるのでしょうか?
結論
私は結論として、「コアメンバーは自分1人、といった状態でブレイクイーブンまで進める。」というのが、
今の所考えている最適解ですかね。
もちろんコアメンバーが複数人の場合は色んなアイディアが出ますし、
集団的知性という言葉もあります。
伸びるスピードは速いでしょう。
ただ、健康面でもチーム組成面でも、
「もうこんな苦労はしたくないな」
「もうこんな思いはしたくないな」
そんな体験ばかりでした。
ソラノデザインでの事業立ち上げは。
チーム組成のトラブルも、健康のトラブルも、
かなり人生的には大きなインパクトです。
チーム組成のトラブルなんて、
極端な話、「健康も時間も全て捨てて働いても、文句を言われるだけ。」
そんな結末やリスクもあり得ます。
幸い今回の体調不良からはなんとか立ち直れそうですが、
たまたま今回は立ち直れただけ。
ハードワークには、リスクが伴います。
現在立ち上げた事業は2事業。
もし次に新規で事業を立ち上げる際は、
「コアメンバーは自分1人、といった状態でブレイクイーブンまで進める。」、
といった方法を取るか、
他の解決方法を見つけるかかなーと思っています。
また、今行っている通販事業の立ち上げもそうですね。
もうちょっといかないと、損益分岐点越えとは行きません。
小売りなのでね、粗利率がちょっと。
まだ「これ!」といった、
すっきりした結論は出ていないのですが、
いつかわかる日も来るのでしょう。
もしまた何か気づきがあれば、
このコラムに備忘録として追記していこうと思います。
それでは、本日は「ハードワーカーのチーム組成と健康管理」といったテーマのコラムでした。
ここまでご一読いただいた皆様、ありがとうございました。