公開日:2025.01.23 更新日:2025.04.23
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
ソラノデザイン合同会社、代表の角田です。
弊社はWEB制作事業以外に、
toCの通販事業も持っています。
創業4年で、WEB制作事業と通販事業の2つを作ったのは誇りです。
しかしさすがに重たく、
ここ半年ほどは体調的にも精神的にも、かなり疲弊していました。
ようやく落ち着いてきたので、
良かったこと、悪かったことを言語化し、
前に進むためのコラムに仕上げていけたらと思います。
この4年で一番大変だったこと。
尚且つ学ぶことが多かったことは、
この間まで続いていた、通販事業の立ち上げ期です。
ここ数日の自分をメタで見てると、まだ精神的に疲弊していますが、
もう少しで心の底から、全ての苦労を自責で消化できそうな気がしてます。
出口をMAにするか悩んではいますが、
目を背けても立て直して、全部終わればまとまったお金を、
仲良くはない立ち上げメンバーに振り込む義理があったりする。
最初から最後までややこしい事業だったりします。
そんな大変だった通販事業立ち上げ。
最終的には現在、
フォロワー6万人の人気インテリア通販に成長しています。
このコラムでは、そんなtoC事業立ち上げの苦労や、
そこから学んだこと、良かった施策など、
ビジネス目線で赤裸々に書いていくことで、
自分の中でこの事業の立ち上げ期を消化しつつ、
同じようにtoCビジネスを立ち上げるクライアント様にとって、
有益なコラムなればいいなと思います。
それでは、宜しくお願いいたします。
目次
このコラムの前提
まず大前提として、SNSの変化、AIの進化など変化の激しいこの時代に、
「toCプロダクトの成功」の定義をどこに置くか。
今でこそ上手く回っている通販事業ですが、
そう遠くない過去、2024年の前半。
この通販事業は、実は一時キャッシュアウト寸前まで行ったことがあります。
この時が一番、私としてはピンチでした。
通販事業は、私なりにかなりの覚悟で「作る」と決めた事業。
当時、通販事業立ち上げのため、ファイナンスはなかったですが、
個人の貯金も全て会社に貸し付けていました。
そのため傾いた時、本当に当時は会社も私個人も危なかったのですが、
当然スタッフには、倒産も私の自己破産リスクも関係ない話です。
巷で言われている「経営者の孤独」ってやつを初めて経験したのもこの時期でした。
黒字転換までは、ほとんど記憶がないくらい独走し、必死に働きました。
大変ではありましたが、却ってその状況が背水の陣となり、事業が大きく伸びたと思っています。
そんな通販事業の再建に着手した際。
まず最初に考えたのは「成功の定義」でした。
もちろんケースバイケースですが、
どういう定義を「プロダクトの成功」とすれば良いのか。
結論から言いますと、弊社のtoC事業の場合、
マクロで見た時のKPIは「指名検索数」になると考えました。
つまりブランド名を指名で検索してくれるような、
ユーザーの脳内に、
ブランド名が自然と第一想起されている状態です。
この結論に至ったのは、
近年のSNSアルゴリズムの変化に振り回されず、
事業を伸ばしていきたいという思いもありました。
つまりユーザーの中でブランド名が第一想起されること、
数値で言うと、
「指名検索数」をKPI(数値目標)に事業再建するべきだと考えました。
もちろんソラノのtoB事業はGoogleというプラットフォームに依存していますし、
toC事業もまだまだInstagaramというプラットフォームに依存しています。
しかし事業立ち上げ期は仕方がないとは言え、
安定した収益と安定した経営のためには、
プラットフォームからはある程度脱却した状態、
つまりプラットフォームが変化し経常利益が変わっても、
キャッシュアウトだけはしない事業設計が必要だと感じました。
ファンマーケやリピータ獲得を気にせず、
ショットでの売上利益だけで成り立たせる事業は、
CPA(CPO)とROIだけ見てれば良いなと思うのですが、
一定のLTVを見込んでる収益構造の事業計画の場合、
事業の立ち上げ期はCPO、ROIを気にしてたとしても、
中長期ではROIやCPOよりも指名検索数が重要で、
目先のCPAやROIに振り回されず、
「どうやったら指名検索が増えるか」を起点に広告戦略やコンテンツ戦略を考える事が重要だと考えました。
- 物事を中長期で見ること
- 泥臭く継続継続できること
- 白か黒かでは無く「どのグレー」に着地させるか見極められること
の3つは、仕事の上での”賢さ”だと思っています。
反面、何かがうまくいってないのなら、
「中長期」で、KPIを見れていない。
そんな視点でキャリアや事業計画を考えると、うまくいくケースが多いです。
具体的に当時の問題点としては、
それまではCPF(フォロワー獲得単価)が私の中でどこかKPIとして存在していましたし、
フォロワー獲得単価が低いかどうかを、当時は広告運用の最重要なKPIとして見ていました。
当時の私は必達・未達の管理も甘く、
WEB制作のスタッフの赤字も多かった時期。
唯一目に見えて増えていくフォロワー数という数字に、
癒しや救いを感じてたのもありました。
(この辺の感覚は経営者や事業家以外には、理解されないと思います。)
しかし追い込まれ、本格的に事業再建するにあたり、
冷静に考え事業理解に努めると、
CPFは最重要のKPIでもなんでもなかった。
中長期で見ると、
重要なのは指名検索数だと気がつき、舵を切り始めました。
この辺りが今、人件費込みで黒転した要因だと思っています。
よくよく考えれば、
「いいね数」が売上とニアリーイコールになるわけではない。
エンゲージメント率が最上流のKPIなのではなく、
エンゲージメント率やいいね数、フォロワー数の上流に、
「ブランド認知」があるはずだと。
「ブランド認知」を定量化した「指名検索数」を起点に各施策を考える、という考え方が、
ある時から私の中でしっくりきました。
各施策というのは主に、広告施策とコンテンツ施策、リファラル施策です。
それまでもラクスルさんのセミナー動画などから影響を受け、指名検索数は追っていたのですが、
今ほどKPIとして各タスクレベルで落とし込めていなかったなと当時を反省しています。
念の為書きますと、
「プラットフォーム依存からの脱却」というネガティヴな要因だけで、
指名検索数をKPIにしたのではなく、
それもありましたが、
結局「ユーザーの脳内のシェアを取る」という考え方が、
toBであれtoCであれ、重要だと腹落ちしたんです。
「ユーザーの脳内のシェアを取る」
定量化すると「指名検索数」。
toB事業を例に出すと、わかりやすく理解できます。
WEBのことは角田くんに相談しよう、
と、私に電話してくださる方は、
ありがたいことに多いです。
WEBのことならとりあえず、角田くんに聞いておくか、と。
これはつまり、第一想起が取れている状態です。
これは信頼や仲の良さプラス、
ちゃんと数字で結果を残してきた積み重ねが効いていると思っています。
つまり弊社toB事業で言うところの「お客様が私の電話番号をクリックする数」が、
toCで言うところの「指名検索」になります。
これが「ユーザーの脳内のシェアを取る」といった状況です。
これをtoCで実装する。
考え方としてはtoBもtoCも、本質的には変わりません。
- 顧客と仲良くなる
- 顧客とコミュニケーションをとる
- 顧客に信頼してもらう
- 顧客に満足度の高いサービスを提供する
これらが重要です。
この状態をtoCで構築していく、つまり指名検索数を増やしていく。
そこから逆算して様々な事業再建計画を考えました。
具体的には、
- どんな広告戦略を行い
- そんなコンテンツを投稿し
- そしてどんな事業計画で進めるか
を、まず見直したんですね。
指名検索をKPIにすることに基けば、
toCであれtoBであれ、
Googleや各種SNSなどでインプレッションを上げるのは、
あくまで認知を上げるために使うのが理屈に合っています。
この頃はCPOが合わない商材が多いです。
これはネット上であらゆる市場が成熟しつつあるので、仕方がない事ですし時代は変えられません。
また、プラットフォームの変化、
例えばGoogleやインスタグラムのアルゴリズムが変動した際の事業への打撃を考えると、
「指名検索経由でのCV数だけでもPL上で営利がプラスになっている状態」こそが、
「私含む従業員の安定 = 事業の安定 = 成功」と定義する方が、
より健全だと考えました。
もちろん流石に難しいですし、あくまで理想ですけどね。
また、これは弊社独自の事情ですが、
指名検索を増やすにあたり、
「なぜ事業が危ない状態になるまで、指名検索が重要だと気がつけなかったか。」も考えました。
それについては、
- 私がキャッシュエンジンとして徹した事が失敗だった事。この事業を部下に任せすぎていた = 自分がキャッシュ集めにコミットし事業本体にリソースを割く事を無視した戦略をとったため、事業理解や現場の意思決定に時間を避けなかった事と、そのリスクをわかってなかった事。
- それにより原価すら把握できておらず、黒字月がひとつも無かった事に、事業が傾くまで気がつけなかった事。
- 人柄重視で採用し、「私とコミュニケーションをとる事がストレスにならない人材か。」「ビジネスに対する姿勢や考え方が立ち上げ期の会社に適しているか。」を鑑みず採用したため、コミュニケーションや情報共有が上手くいってなかったこと。
が起因したと結論づけました。
まとめると事業が一時傾いたり、私が疲弊した原因は、「経営者の事業理解の浅さ」だと結論づけました。
また、何よりそれを引き起こした座組を、経営者がチーム組成時に作ってしまっていた事です。
当時のチームメンバーの沽券のため書いておきますが、
コミュニケーションの相性が悪かっただけで、
当時アサインしていたメンバーは優秀ですし、人間性は良い人たち。
私のプロジェクト・メンバー選定と、
経営計画がズサンすぎましたし、甘すぎました。
「人柄重視」なんて言葉に流されて相性を見ていませんでしたね。
また、この通販事業は会社にとって、とても重要な新規事業でした。
もともと資本集約のモデルを作るつもりで起業しましたから、ビジネスモデルとしては会社にとって最重要。
私も自己破産ギリギリまで戦うつもりで、本気で取り組んでた事業でした。
そこまで本気で取り組む事業は、重たい。
先輩の事業家さんやゼロイチ慣れしてる人たちとチーム組成し、進めるべきでした。
普通に働きたい人材を巻き込むべきではなかったと、強く反省しています。
抽象化して書くと、当時はメンバー皆が、
それぞれ「自分の理想とする働き方」を追求すると、
会社が倒産する方向に動くという状況を、経営者である私が作っていたんです。
この座組を経営者が作ると、メンバーも幸せにできなければ会社も経営者も疲弊していく。
「それぞれが自分の理想とする働き方」をつきつめると、
「事業が伸びる」ように、相性を見るべきだった。
当時の私が作っていたのは
「それぞれが自分の理想とする働き方」をつきつめると、
「事業が傾く」座組だった。
採用の責任やアサインの責任は経営者にあります。
誰も悪くなく、経営者が悪い。
これについての経験談や考え方は別のコラムにまとめました。
ある年の初め、
あるメンバーがやらかした事に対して、
本人も気がついていなかった事もあり流石に怒りが湧き、
名指しは可哀想なので抽象度高く叱責したところ、
全員が反発する、といったエピソードがありました。
どうすれば全員からの反発を、あの時、回避できたか。
考えましたが、たどり着いた結論は採用の見直しです。
もう解散したチームだから言えますが、
この通販事業立ち上げにあたり集まったプロジェクトメンバーは、
見えてる現実が、起こっている出来事の認知が私と全く違ったチームでした。
そのため、
把握してる問題も、起こってる出来事でさえ、
立場の違いと、それぞれのプライドが起因して、
全く同じ現実を見れていなかった。
ゆえに互いに「何言ってるのか理解できない」構図になっていました。
「なんでこんなことするのかわからない」vs「なんで怒られるのかわからない」のような構図です。
私が当時、疲弊し始めたり混乱し始めたのも、
今振り返ればこの辺が原因でした。
もし過去に戻れるのなら、
「採用は何より大切にしないと人を傷つける」ということ。
「チームを信じられなくなったその瞬間に、
その年明けに、すぐに事業は撤退すべき」ということ。
「同じ現実を見れないチーム組成は、結局全員傷つけ後悔するぞ」ということを、
過去の私に言いたいです。
見えてる現実が違う事や、
コミュニケーション不足は、どうすれば解消できたか。
当然会社として1on1もランチミーティングもできる限り取り組んではいた。
しかしコミュニケーションが加速することはない。
何度も何度も考え、気がつきました。
コミュニケーション不足を回避するには、
採用時にコミュニケーションの相性を見極める事が、組織と個人が利益相反していないかどうか、経営者が見てあげることが、とても重要です。
誤解を生みそうなので書いておきますが、
これは誰々が悪いという話では無く、
変えられるとしたら、自分の行動だけ
という話です。
経営をしている限り「自分のどの行動を変えたら結果が変わったか」を真剣に考え、PDCAを回すしかありません。
誰だれがこう変わったら、なんて言ってたら何も改善もできません。
そういう流れだった、なんて言ってたら会社も何もかも壊れます。
私の行動で、結果を変えられたとしたらどこか、真剣に考えました。
定量化・言語化できないものは解決できないという、偉人の言葉もありましたよね。
何をどう変えたら、脆弱な粗利にならなかっただろう。
何をどうすれば、どの意思決定をミスしたんだ。と。
当時精神的に疲弊しながら、真剣に、真剣に考えました。
たどり着いた結論は、
「採用時にそもそもコミュニケーションや仕事の相性を見極めること」でした。
コミュニケーション量だとか、
1on1だとか、
そんな小手先をチューニングしても、
土台が狂っていれば、何も変わらない。
多様性の時代。
私も、他のメンバーも、
性格を変える必要なんてない。
何か新規事業を立ち上げるにあたり大事なのは、
「事業とメンバーの相性」「事業責任者とメンバーの相性」であり、
その見極めだったと。
そして、KGIにおいて、コミュニケーションは単なる下層の要因であり、
本質的に問題だったのは「経営者としての顧客理解・事業理解の浅さ」
そして「事業設計〜採用〜実務まで、理解が浅い座組。」で経営した事でした。
つまり、新規事業は、
経営者の事業理解が深いことと、経営者が現場の第一線に出ること、
そのための座組作りを、チームづくりの初手から仕込み計画しておくことが、何より大切だと学びました。
当時その学びを知らなかった私は、
自己破産ギリギリ、もうローンも組めない、倒産、
のような状況になりかけ、かなり苦しみました。
さらに状況が悪いことに、
そこまでリスクをとって、
個人資産含めて事業に全投資しても、
誰もその状況も、現実も覚悟も、
把握すらしてなかったと思います。
何度も書きますが、これについては誰も悪くなく私が悪い。
「現実の認知」を共有できる「チーム」を作るのは、
コミュニケーションと相性が鍵であり、
そのコミュニケーションをまともに機能させるのは「採用」です。
事業責任者との相性。
事業との相性。
人事部門もない出来立ての中小企業の採用は、
全て、経営者に見極めの責任があります。
経営者も人間なので何かトラブルがあれば不満も生まれますが、
最終的には時間がかかろうがそんな感情は全て忘れ、
「自責」に戻ってPDCAを回さなければいけません。
それまでの間違いから戦い方を徹底的に見直し、
チーム組成を見直した結果、今の黒字体制が整い、
フォロワー数6万人越えの、人気インテリアショップとして、通販事業が事業再建しました。
ROIとCPOを正しく捉えること
コンセプチュアルスキルを言い訳に使うわけではありませんが、
今まで書いたのは概念論が多かったです。
経営戦略を考える時、概念論と実証論を反復する必要があります。
ここからは具体について、書いていきます。
通販事業の事業再建にあたり、
マーケティングの4Pを見直しました。
プロモーション・プライス・プレイス・プロダクトです。
もちろんプロモーションの部分もテコ入れしました。
マーケ部分でまず注目したのはCPOです。
一端のマーケティング担当者なら当たり前の手法といえば手法ですが、
まずは上限CPOを決めるところから、CPO周りの施策はスタートします。
まずここから見直しました。
上限CPOを決める際に業界の平均CPOなども調べると思うのですが、
この頃広告のCPC(クリック単価)の高騰で、
そもそも商材的にCPOが合わないという業態も多いです。
当社の通販事業も、例に漏れずCPOが合いづらかった。
合いづらいどころか、この頃のtoC市場で頭ひとつ突き抜けるためには、
基本的に広告のCPOは採算が合いづらい時代と考えた方が良いでしょう。
簡単に言い直しますと、
広告費1万円投資で、1注文取れますよ、でも1注文あたりの平均利益は3000円ですよ、
と言う場合。
単純計算で1注文を「広告のみ」で獲得すると赤字が7000円でる計算です。
これだとビジネスとして成り立ちませんよね。って話です。
反面、CPOが安いとかなり財務的に余裕が出ます。
YouTubeで異常に認知をとれているからCPOが安い!
SEOで上位表示が担保されているからCPOが安い!
など、キャッシュが生まれるプロダクトは「CPO」か「原価」が異常値を出していることが多いです。
近年のSNSビジネスなどは、
この「異常値」をどう出すかのゲームなんですね。
ただ、いくらCPOが合わない商材や時代であれ、
その中でも広告で戦う必要が出てくるフェーズがあります。
それは「認知拡大」を必要としているフェーズです。
察しの良い方は「でも待って。大手も上場企業もバンバン広告売ってるじゃん」と思われるかもしれません。
しかしその場合でも、「顧客の幅を広げるために認知を広げたがっていて投資している」ケースや、
「そもそも大手なので原価が安く利益率が高く、広告のROI(投資利益率)がちゃんと担保されている」場合がほとんど。
もしくはお金が余りすぎてるので余裕で広告にお金を流せる、などでしょうか。
いわゆるランチェスター戦略でいうところの「強者の戦略」でして、
私たち中小企業が取れる「弱者の戦略」とは違います。
我々中小企業が広告を打つ場合は、
- ROIを正しく計算する
- 上限CPOを決める
- CPOがそもそも業態的に合わない場合「認知拡大のため」と理解し広告費を割く
- CPOが合う場合はひたすらROI・ROASを監視しながら広告戦略で伸ばしていく
と言うのがソラノデザイン流の考え方です。
今回のコラムでは自社事業を例に記載していくので、
あくまで「業界的にCPOが合わない」前提で、話を進めていきます。
まずROIが正しく捉えられていないケースが多い
まずはROIですが、正しく捉えられていないケースが多いです。
メタ広告を切ったら、自然流入でのCVも減った、など、
マーケティングに携わる方は聞いたことがある現象ではないでしょうか?
私も最近携わっているプロジェクト2件でそういったお話が出まして、
やっぱり複合的な要素、イメージ広告的な効果って意図せずとも広告にはあるんだなと実感しています。
この例で何が言いたいかと言いますと、
正しいROIがほとんどの場合計測できていないと言うことです。
というかできないのかもですね。
先ほど記載したイメージ広告としての効果、
なども含めますと、
寸分狂わずROIを計算するのは、クッキー規制など法律が変わった今厳しいので、
基本的に定点観測で推定ROIを算出する方法をソラノデザインでは採用しています(いました)。
自社のデータを例に出します。
ある期間(A期間、B期間)での広告と利益の推移です。
売上 | 広告費 | ROI | 広告費を販管費から抜いた利益 |
---|---|---|---|
¥1,898,382 | ¥218,233 | 236.34% | ¥515,744 |
¥2,069,101 | ¥422,776 | 132.97% | ¥562,157 |
これを見ると、ROIに大きく開きがあることがわかります。
同じ商材、似たような期間なのになぜでしょう?
広告費を2倍にすると、ROIが半分くらいになっていますよね。
これは当たり前なのですが、
自然流入でのCVを換算していないからなんですね。
私たちソラノデザインが作っているtoCブランドは、単品リピート通販じゃない。
リピートモデルとは言えないにしても、ある程度ブランドにファンがつき、定期的に購入してくれたり、少なくとも定期的にセッションは取れるモデル。
自然流入でのCVはむしろ重要な数値です。
余談ですがこの辺を計算していないちょっと悪質な広告担当者さんなども世の中にはいますので、
クライアントのみなさまには注意してほしいです。
短期的な広告のインパクトを定量で見るために、
自然流入でのCVを換算から外さなければいけません。
差分を計算します。
売上差分
2,069,101 – 1,898,382 = 170,719
利益差分
562,157 – 515,744 = 46,413
広告費差分
422,776 – 218,233 = 204,543
利益差分 / 広告費差分 = ROI
46,413 ÷ 204,543 = 0.226 = 約22%
どうでしょう?
こうしてみると100%以上に見えたROIが、
実は22%の可能性がでてきてしまいます。
しかし落ち込むことはありません。
この商材は7がけ、粗利率27%で仕入れた商材だと言う事もあり、
この例は極端な例です。
もっとわかりやすく説明します。
まず、基本的なROI(投資利益率)の定義は、
ROI = (広告施策による利益 ÷ 広告費)× 100
と考えます。
しかし、実際のマーケティング施策では、広告による直接効果だけでなく、自然流入やブランド認知向上といった間接的な効果も存在しています。
ここでは、2つの期間における実績データを例に、
単純なROI計算と追加投資のROIをどのように捉えるかが重要だと言う点を、改めてこのコラムで推していきたいです。
【例:期間Aと期間Bの場合】
期間A
– 売上:¥1,898,382
– 広告費:¥218,233
– 広告費を除いた利益:¥515,744
→ 単純ROI = (515,744 ÷ 218,233) × 100 ≒ 236.3%
期間B
– 売上:¥2,069,101
– 広告費:¥422,776
– 広告費を除いた利益:¥562,157
→ 単純ROI = (562,157 ÷ 422,776) × 100 ≒ 133.0%
単純計算では期間Aの方が高いROIとなっていますが、ここで着目すべきは追加広告投資による効果です。
【追加投資の効果を差分で見る】
追加広告費 = 422,776 – 218,233 = ¥204,543
利益の増加分 = 562,157 – 515,744 = ¥46,413
→ 追加投資に対するROI = (46,413 ÷ 204,543) × 100 ≒ 22%
この計算から、直接的な追加投資のROIは低いように見えますが、
実際は広告によって生み出されたブランド認知や自然流入の効果も、後の利益に大きく影響しています。
したがって、単なる数字だけではなく、
• 広告施策がもたらす長期的なブランド価値
• 自然流入による持続的な効果
なども含めた総合的なROIの評価が必要です。
その「ブランド価値」というのを定量化すると、「指名検索」になるのではないかと言うのが、
私の考え方ですね。
また、実はこの計算では「広告以外で得たCV・利益」に換算している数値も、
これまでの中長期にわたる広告費の積み上げで、
認知をとってきたからこそのCV数、利益かもしれません。
(つまり指名検索数がこれまでの広告効果で増えていた)
認知から購買までのかなりラグがある商材・市場な可能性などもあります。
ちなみに3点以上の定点観測で一定のパーセンテージを出そうとすると、
学生時代、数学をちゃんとやってこなかった私は頭がショートします。
最近便利なものが出てきました。ChatCPTです。CSV食わせて回答をもらっています。
話を戻して、このようなROIの例を見ると、みなさん気が付く事がありますよね。
私が冒頭で申し上げた、
そもそもCPOが合わない商材や業界については認知拡大だと割り切って広告を打つことの大切さが。
もちろん、各種媒体を合わせたROIは担保する事は前提です。
むしろ各媒体を合わせてCPOやROIを担保する時代になったなと思っているくらいです。
しかし全体の粗利に対して広告費を換算したROIを出すと、
この例ですと今後広告費を50万、60万と上げていくたびに、
ROIが悪化するでしょう。
ROIが悪くなると焦り、ついつい下記のような勘違いをしてしまいます。
- 市場は広いはずなのに、ROIが悪い。。。
- 広告のクリエイティブが悪いのかな。。。
- メタ広告のクリエイティブを改善しよう!
ただそもそもここにリソースを割きすぎてしまうのが、
プロダクトの立ち上げ時によくある間違いだと、ソラノデザインは考えます。
クリエイティブの改善等は確かに重要です。
ソラノデザインでも毎週行っています。
しかし、下記のように考えてみるのはどうでしょうか。
「いや、そもそも広告で戦えない、
少なくとも目先のCVだけだとCPOが合わない商材・業界って事実を受け入れるってことからスタートしよう。
改善の余地は確かにある。
余裕があれば代理店や受託会社に頼んで、クリエイティブの改善を行えば良いが、
本質はそこじゃない。。
中長期で毎月60万の広告費を打った場合はどうなる?認知につながる?
これはやってみないと測定できない。
まあ調整はできるかもだし、ウルトラC的なプラットフォームや時代の流れがあるかもしれないし、
一概には言えない。
しかし大抵の場合、論点はそこじゃない。
広告はある程度最適化が進んだら、あとはどこで切るか、
どこで出稿するかなどPDCAを少しずつ回しつつ、限りあるリソースは他に割くべき。
そもそもCPOを合わせられる、CPAを合わせられるって概念が間違っている。
ある程度認知が取れゼロイチの見込みが立ったプロダクトなのであれば、
重要視すべきKPIは”ROI”や”CPO”ではない。
それらも重要だが、最重要のKPIは”指名検索数”だと。
それを広告を通して追うのであれば、目先のCPA(CPO)やROIに踊らせれて、
広告を改善したり作ったりするのは”基準”が間違っている。と。」
ちなみに私はですが、YouTubeで見たラクスルさんのマーケティングの動画がその考えに至るになりました。
いい時代ですよね。あんな有料級情報が無料で見れるんですから。
CPAは節約のKPIであって、本質的な事業の成功のKPIじゃないよねと感じたのはその動画がきっかけです。
toCは指名検索数をKPIにしよう
ということで、最終この結論に至りました。
CPOが合わない市場で、プロダクトの成功におけるKPIは、指名検索数をKPIにするべき。と。
つまり「どうすればCPAが合うか」なんて悩みを捨て、
「どうすれば指名検索が増えるか」を起点に広告戦略を考え直し、
3ヶ月その方向で広告・期待値・コンテンツを走らせた結果売上が短期間で170%成長しました。
少なくともCPOが合わない商材に関しては、
広告戦略で新規新規と刈り取っていくのは限界がありますし、
たとえ今CPOが合っていても、市場に競合参入があればCPCが高騰しリスクが大きい商売はしたくない。
つまり市場的にどうしても広告のROIが合わない市場。
どうやって指名検索数を増やすか、
広告はそのために使う、
そういった考え方のもと、マーケティング戦略や広告戦略を設計していく必要があります。
これは、よく責任逃れ系の会社が使うような「CPA無視」「ブランド力が上がった」などの言い訳ではなく、
しっかりと数値で達成・未達が計測できる「指名検索数」といったKPIを立てた上での戦略です。
そうなってくると、広告で獲得する注文の意味は、
「顧客に実際にサービスを利用してもらい、なおかつ満足してもらい、ブランド名を良い印象で覚えてもらう。」
「UGCを増やす」
などの意味となってきます。
なので単純に「ROI意識するのやめたから広告をストップしようか」とはなりません。
KPIを指名検索数とし、その下層KPIを設定した上で、その目標数値を達成のための広告を回す必要があります。
弊社のプロダクトの場合、
10月に顧客理解と課題理解に膨大に私のリソースを費やし、
その後「ホーム率を上げるためにリタゲ広告を結構細かく設定し、出稿」という施策に結論づいたのですが、
かなり当たり、良い施策でした。
これも10月に私が事業理解・顧客理解に5日間丸っとリソースを投資できたおかげの利益です。
ずっと作れなかったこの5日間 = 70時間を授けてくれたすべての人に、
この場を借りて感謝します。
そして、KPIを指名検索数としたことで、例えばLTVを追う場合、
①CPO改善のためにLTVを上げる、そのためにサービスを整える
ことと
②指名検索数向上の指標として顧客満足度があり それを図る指標にLTVがある
という事は、似ているようで違います。
具体的な打ち手や広告の撤退ラインなどに大きく影響しますので、
この違いを認識するのはとても大切です。
この違いはビジネスモデルごとによるのでなんとも言えないのですが、
おそらく同じフェーズに当たった事業者さんは、めちゃくちゃ縦に首を振ってくださると思います。
とにかく、
「何をKPIとして事業を行なっていくかが大切」だとわかりますし、
「チーム全体で何をKPIとしているか認識を共有して仕事する」大切さもこの例でわかりますね。
私などは特に立場上これでも社長なので、
この頃、部下に、
「このKPIを追いかけてくれ」という発言をする時が、
一番責任が重たく慎重になります。
(その他の発言や態度は信じられないくらい適当ですが←)
「そもそもスタートから間違ってた系」のミスは一番後悔しますし部下の努力を無駄するので、
KPI策定とKPI指示は流石に慎重になりますね。
(その他の発言や態度は信じられないくらい適当です)
話を具体に戻します。
例えば自社事業で最初私は、フォロワー獲得単価、つまりCPFを指標に広告を回していましたが、
指名検索数への寄与という意味ですと、間違っていたかもしれないとこの頃感じています。
興味の薄いがミーハーなマス的な層はCPFが安くても、
その後ロイヤルカスタマーになる転換率が低ければ、
CPFが少し高くても指名検索が増える層 = ロイヤルカスタマーへの転換率が高い層は他にいたかもしれないと考えています。
わかりやすく言うと、SNSのプロフィールを着地点にし、
フォロワー数やCPFをKPIにし広告を打つのは正しいのだろうか、
購入や購入検討まで至った見込みロイヤルカスタマーをどの媒体でも良いので接点を持ちやすくしておく、
といった観点で各種SNSのフォロワーになってもらうのが、正しいのでは?という考え方です。
クリエイティブに関してもそうです。
例えば大●洋さんのアカウントをフォローしているユーザーと、
実際に大●洋さんのファンクラブにお金を払うユーザーの違いのようなものですね。
「フォローしていても指名検索したりお金を払ったりしない」ユーザーはどのビジネスでも多いです。
しかし事業にとって大切なのは、「自分の事業やお店にお金を使ってくれる、お金を払う価値を感じてくれるユーザー」です。
指名検索をKPIにするのであれば、
本質的には「必ず指名検索したりお金を使う層」のリーチを100%取るのが理想です。
となると基本的に広告はメタ広告のデモグラ配信を中心にしつつ戦略を設計していくのは継続でも、ターゲティングは変わってきます。
(あくまで弊社のtoC事業の場合)
別の媒体ですが、最近私の周りで「新しくGoogleが出したデマンドジェネレーション広告の効果良かったよ」という声も聞きまして、
これはまだソラノデザインでは知見が浅いですが同じような効果が得られるかもと考えています。
また広告費についての考え方も変わりました。
いずれにしても広告費を上げれば上げるほどCPOが上がりROIが合わない市場である事は間違いない。
とするならば。
- 1円あたりのセッション数を計算
- どの広告費が一番営利が最大化するか
をまず考えました。
そうすると、当社のビジネスモデルの場合は発送や梱包アウトソース費用等がかかるので
- 広告費60万で売が260万 営利14万
- 広告費15万で売が135万 営利27万
- 広告費2万円で売が110万 営利14万
のような数値になることがわかりました。
面白いですよね。
これは自然検索と広告の複合で売り上げが立っていること、
その事を基に定点観測し広告の効果を正確に算出した事で得られた情報です。
つまりCFが厳しい事業立ち上げ初期は、
もし節約をKPIにするのであれば、
広告費15万円、売上135万円を短期のKPIにすれば良いということが判明したのです。
PLという目線で見れば、
売上も、広告費も、上がれば上がるほど良いというわけではなかったんです。
例えば今プロジェクトとして他にリソースを割きたいなというときは、
売上135万広告費15万が最適解。
しかし、今弊社が追っているKPIは、「指名検索数」。
愚直に指名検索数KPIを追う場合、利益が0でも良い、
キャッシュアウトせずキャッシュが回るのであれば、
広告費を80万などに設定し、
注文件数を最大化、より多くの顧客にプロダクトのサービスを体感&認知してもらう事を優先すべきでしょう。
KPI、ROI、CPOを正しく把握する事で、
財務状況と事業戦略に合わせた意思決定ができるということですね。
CPFが良い広告と、
ロイヤルカスタマーをより多く生成する広告は、違うと言う事です。
指名検索を増やすにあたり考えたブランドコンセプト・コアバリュー・インサイト
そして、こういったKPI指名検索数 = 顧客満足度を追う場合、
大切になってくるのがブランドコンセプト・コアバリュー・インサイトです。
ここに関するインプットは2024年末ごろから、この半年死ぬ気でやっていました。
幸運にも同じ課題を持つ方々と元旦から合宿したりもしました←
アルコールなしで真剣に議論するお正月、、、シュールでしたね。笑
ブランドコンセプトを決める際に、
マーケットイン・プロダクトアウト、どちらの考え方もうまくミックスする方法が良いのではという持論もありますが、この辺は一旦割愛して、重要だったポイントだけ記載していこうと思います。
内部の想いやモチベーション、持続性、といった意味でのブランドコンセプトではなく、
あくまでプロモーション面で活用できるノウハウとしてここに記載するならば、
「どのような口コミを発生させたいか、から逆算してコンテンツやサービスを整え直す。」
という考え方が、各施策で当たったと感じています。
どういうことか、解説していきます。
コンセプトを決めると「ブレがなくなる」を深掘りする
よく言いますよね。
ブランド・コンセプトをぶらしちゃいけない。
コンセプトがぶれなければ訴求もブレない。
私もいろんな本で読みましたし、そう言っている方にも何人にも会いました。
コンセプトをぶらさない事で、ブランドに実際にどういうメリットがあるのか、
どういう定量的なメリットがあるのか考えたのですが、
- ファンの数 = あのブランドは変わってしまった…などで定期的に離脱させない
- 口コミ情報の統一 = このブランドは〇〇だよね、というブランドイメージの統一
の2点がわかりやすい指標だなと考えました。
となってくると、エンドユーザーに渡す商品や文章だけでなく、
- 期待値
- サービス
- コンテンツ
- 広告
の4つを、「どういう口コミが醸成されて欲しいか」から逆算して考えるのはどうか?
と思いつきました。
そんなのやってるよ、ブランドコンセプトは統一してるよ、
という声が上がってきそうですが、
実際に上がってきて欲しい口コミを、コンセプト・インサイト両軸から最大公約数を見つけ、
そこから逆算して期待値・サービス・コンテンツ・広告の4つを3ヶ月スパン以上で統一していく、
というのは、意外とできていないプロダクトが多いのでは無いかと考えました。
例えば、
「○○のアイテムは、××で、他と違って△△なアイテムは多いよね」という口コミが広がることを、
全ての施策の目標とする。
この「△△」と「××」を埋めて、そこに広告施策からコンテンツ施策、
商品選定までフルコミットで統一していくという形です。
この施策の効果は定点観測するしか方法はないのですが、私の中でうまく行った施策の一つだと感じています。
コンセプトをぶらさない。
言葉にすると簡単ですが、各タスクに落とし込んでいくときにムラがでる。
そのため、「醸成されて欲しいクチコミから逆算して全てのタスクに取り組む」という価値観を、
当時の業務委託メンバーに徹底的にマイクロマネジメントさせていただきました。
その結果、売上は右肩で伸びていきました。
「コミュニティに参入する」を定量でタスク化した
次々と書いていきます。
2023年の年末頃、インフルエンサー様の協力もあり、
ありがたいことに売上が伸びた時期がありました。
その後、同じようにインフルエンサー周りの施策を2024年の春頃行ったのですが、
この2024年の方の施策は鳴かず飛ばず。
全く売上にインパクトはありませんでした。
事業再建にあたり、
それまで見る時間がなかった数字に2024年10月、かなりのリソースを使い向き合い、
事業理解・顧客理解を行いました。
その際に、インフルエンサー様周りの全てのデータに目を通しました。
そして、ご協力いただいているインフルエンサーはどんな人が多くて、
どんなコミュニティで、誰を相互フォローしていて、
なども、ひとつひとつ確認していきました。
すると気がついたのですが、
2023年末に我々のブランドが参入したコミュニティと、
同じコミュニティのインフルエンサーに2024年も協力をお願いしていたんです。
もちろん効果はゼロではなかったと思いますし、
未だにそのインフルエンサー様等にはお世話になっています。
しかし、2023年に一度認知をとったコミュニティ内の、
別のインフルエンサーさんに2024年にご依頼したからこそ、
その先にいるエンドユーザーの母数は、意外と変わらないのではと仮説立てました。
つまり、ご依頼するインフルエンサー様のフォロワー層が類似しているので、
同じ層にリーチしてもそれはトラフィックは大きく変化ないと。
これは私が事業理解・候補日に時間を割いた、2024年の10月に気がついた事。
改めて経営者が事業理解・顧客理解に、もっと早く時間を割くべきだった、
最初からそういう座組で経営するべきだったと後悔しました。
「情報の伝わり方」を言語化してタスクに落とし込んだ事で広告費50%減でトラフィック130%増加
上記の話につながるのですが、
まずエンドユーザーにプロダクトの情報がどう伝わっていくのか、
パーセプションフロー・モデルでタスクに落とし込みました。
自社メディアの役割、自社SNSの役割、UGCの役割を言語化し、
それぞれがそれぞれの役割を果たすために、
・どういうコンテンツが必要で
・どういう比率・頻度でコンテンツが必要で
を徹底的に言語化してタスクに落とし込みました。
例えばビジネスモデルによっては、
ECがただの決済装置になっていて、
ナーチャリングと商材の説明はSNSで完結させるモデルもあれば、
その逆で商材の説明はECで説明させるモデルもあります。
弊社はエンジニアスキルと少額とはいえキャッシュがあったので、
ECに注力できましたし、SNSかECか決裁権があったのですが、
もし私にキャッシュもエンジニアスキルもなければ、
SNSでのナーチャリング中心に事業設計・コンテンツ設計し、
ECはただの決済装置としてだけ機能する座組を作り上げ、
SNSの予算投下してたと思います。
それも広告費をギリギリまで抑え、コンテンツ一本予算投下です。
自社であれ他社であれ、
実際は白黒では無く(ECに力を入れるかSNSに力を入れるかの2択では無く)、
「どのグレーゾーンに軸足を置くか」だと思うのですが、
そこをちゃんと言語化して定量化することで、
正直2023年の半分の広告費で、130%ほどのトラフィック成長が実現したのが2024年度でした。
これは中長期で行っている施策でして、
今でもやっている最中と言える施策なのですが、
ここ半年のタスクで、確実に効果があったと思える施策の一つです。
弊社の場合は、外部のインフルエンサー様との関わり方から見直しましたし、
どういったUGCを発生させるか、UGCの内容まで言語化しました。
また、「エンドユーザーにプロダクトがどう伝わる」と一言にいっても、
何をどう伝えるのか、
頭の中で整理しました。
細分化すると、
まずサービスの根幹になる概念があると思います。
これは、私は「ライフスタイル」「生活」だと思うんですね。
仕事柄、毎月たくさんの新規事業立ち上げに携わるのですが、
「これは伸びる」という事業は、全て、
「生活」が見えるサービスだと確信しています。
toBでもそうだと思います。
このWEBサイトがある生活(仕事)。
このお店の商品がある生活。
このアプリがある生活。
Appleさんも無印さんも売れてるスクール系ビジネスも。
サービスの根幹が「生活」「ライフスタイル」であり、
その「生活」「ライフスタイル」がある生活がとても魅力的で、
また容易に想像できる事。
これが売れてるプロダクトの共通点だと、(今私が32歳なので、32歳時点の理解では)確信しています。
想像できるんですよね。
無印さんの商品を買えば、こういうライフスタイルになるんだなー、と。
そしてそのライフスタイルは、確かに素敵だなと。
この「購買後のライフスタイルの想像しやすさ」と、
「そのライフスタイルに、確かに憧れのような、素敵だなと思える魅力があること」。
そしてその事を、マーケティングの4Pを通して、
よりエンドユーザーに伝える事。
もっと言えば、「伝える」のではなく、
「イメージをわかせる」事。
これが大切だと確信し、タスクに落とし込みました。
自社SNSやブログ・商品ページの「コンテンツ量」ではなく「世の中に存在する自社に関連するコンテンツの数」をKPIに
追記予定….
バックエンド商品の見直しによる利益率の改善とLTVの最大化(リピート施策)を同時に行なった施策
追記予定….
SNSのアルゴリズムの変化に伴い広告戦略とSNS上でのKPIを大きく変えた
追記予定….