公開日:2020.05.19 更新日:2020.10.02
目次
ザイオンス効果【SNSマーケティング特集 その①】
こんにちは、ソラノデザインの角田です。
日々様々なご依頼があり、「SNSのマーケティング方法を教えて欲しい」といったクライアント様も徐々に増えてきた様に感じています。
SNSマーケティングについて、しっかりとした記事を書きたいといった思いや、
一緒に仕事する人等や、クライアント様に伝えたい気持ちがあり、ずっと記事にまとめたいと思っていたのですが、
相当な文章量になってしまいますし口頭では伝えにくい事もあるので、
まずはSNSマーケティング特集「第1段」として、「ザイオンス効果」について記事にまとめたいと思います。
ご興味のある方は是非ご覧ください!
ザイオンス効果とは?
ザイオンス効果とは心理学の用語で、
ある個人が、同じ人や物に接する回数が増えれば増えるほど、その対象に対して好意を持ったり、好感を持ったりする確率が高くなる効果を指します。
他社の営業の人が何度もやってきて、雑談だけして帰って行った…という愚痴を聞いたことはありませんか?
実はこれ、ザイオンス効果を狙ったマーケティング施策かもしれません。
私も狙ってやることがあります。
兎にも角にも、マーケティング界隈の本や資料を漁っていると、この「ザイオンス効果」といった単語を見かけます。
SNSマーケティングをする上では、ユーザーに好感を持たせたいのは多くの場合「商品」かと思います。
マーケティング内を行う上でザイオンス効果は、
「消費者(ユーザー)がコマーシャルに7回接触すると、その商品を選ぶ確率が上がる」といった意味に置き換えられます。
例えばテレビCMは、ザイオンス効果が購買を促す結果に繋がっている事を証明する、一番身近な例と言えるでしょう。
たとえ馴染みのない、知らないメーカの新商品であっても、CMで良く見かけていれば、コンビニなどでつい手に取ってしまった経験はありませんか?
ザイオンス効果は、まだ知名度が上がっていない商品や商標に特に有用
既にブランド化・ブランディングが成功している商品に、ザイオンス効果を無理やり当てはめる必要はありません。
必要があった際に、ザイオンス効果を用いたマーケティング施策を打ち出せば良いと思います。
しかしこれからブランディングしていきたい、認知度を上げていきたいといった場合はこのザイオンス効果を使ったマーケティングは有用です。
これからブランディングしていきたい状態というのは、言い換えれば「ファンが居ない」状態です。
ファンが居ない状態で、ユーザーの方から商材にアプローチを貰うことは難しく、
こちらからマーケティングしてユーザーの注意を惹く必要があるんですね。
ある程度の数の「ファン」が確立されれば、指数関数的に認知度は高まっていくでしょう。
経験上、SNSでは「3000フォロワー獲得後」を目安に、
ザイオンス効果を意識しなくても、徐々にユーザーが自然と増えていく感覚があります。
実際にザイオンス効果を意識してSNSマーケティングを1日実験しました
過去の案件での経験で、既に有用だと個人的には納得しているのですが、
今回はせっかくなのでこの記事のために、SNSマーケティングを優先して1日を過ごしてみました。
実験につかったSNSはインスタグラムで、フォロワー0人、投稿0件の、新規アカウントでの実験でした。
他のマーケティング施策はあえて我慢して、ザイオンス効果やその関連施策だけに焦点を当ててSNSを運用してみた結果、
- 仕事の合間に投稿 計9件
- いいねの合計 80件
- フォロワー獲得数 17件
- いただいたDM 5件
といった結果になりました。
出だしとしては、まずまずの結果かなと思っています。
皆さんが気になっているのは「どんな運用方法を行えば、17件 / 1日ペースでフォロワーが増えるのか」といった点かと思います。
正直、マーケティング界隈ではこの「17件 / 1日ペースでフォロワーが増える」という数値は、決して多くありません。
しかし今回ご紹介したかったのは、「WEBマーケターでなくとも、17件 / 1日ペースでフォロワーを増やす施策」です。
ひとつひとつ解説していきます。
まずはユーザーの目に止まるようにしました
ユーザーが閲覧する数あるアカウントの中で、まずは自分のアカウントや投稿が目に留めてもらえなければ意味がありません。
目に留めてもらえなければ、ザイオンス効果どころではありません。
そのためにアカウント立ち上げの際に、目に止まりやすい色でシンプルな覚えやすいアイコンを選択しました。
「目に止まりやすい色」の定義は様々だと思いますが、私個人がこれまで運用してきたWEBサイトやSNSでは、
黄色やオレンジがユーザーの目に止まりやすいと感じています。(色については賛否両論だと思います)
とにかく、今回私が使用したのはこのアイコンです。
ユーザーに親近感を持たせるために人物が写った写真をアイコンを設定するというのも、
有用であり有名な手法なんですが、
今回は「WEBマガジンの公式アカウント立ち上げ」を利用して実験を行ったので、
WEBマガジンっぽい、ロゴを使ったアイコンにしました。
次に、アカウント名の文頭に絵文字をいれました。
こちらは他のユーザーとの差別化を図るためと、たとえ1%でも親しみやすさを上げるための施策ですね。
差別化のため、他の方があまり使ってないなーと感じた絵文字をアカウント名に入れました。
(基本的にマーケティングはこのような「1%の向上」を積み重ねる仕事です..orz)
そして(案の定)ユーザーの目に止める施策として効果が大きかったのは、アイキャッチ画像の選定・制作です。
今回の9件の投稿は、今後の効果測定のためにも2パターンに分けました
- 画像の上に、スマートフォンでも読める大きさの文字が入ったアイキャッチ画像
- 画像の上に文字がない、写真だけ魅力的なアイキャッチ画像
ユーザーの反応やいいねが多かったのは、1番の、「画像の上に、スマートフォンでも読める大きさの文字が入ったアイキャッチ画像」でした。
例として上げますとこちらの画像です。
(本当は時間があればデザインにもこだわりたかったのですが….)
文字あり / 文字なしの同じ画像を用意して実験してみたんですが、
アイキャッチ画像に画面幅の狭いスマートフォンでも読めるサイズの文字を入れるだけで、ユーザーの食いつきが違いました。
インスタグラムは、基本的に写真ばかり目に入って、興味を惹けなければテキストまでは読んでもらえないSNSです。
そして、もう一つ念頭に置いておかなければならないのは、もちろん「いいね」の数は欲しいですが、最終的な目標は「ユーザーの購買を促す」事だということです。
今回はそのためにザイオンス効果を利用したかったので、少ない投稿数でもユーザーにテキストを読んでもらい、アカウント名やアイコンを印象付ける必要がありました。
また、インスタグラムに掲載されている内容だけで、ユーザーが満足してしまっては意味がありません。
私たちマーケターは、目的や指標を明確にするために、KPI(重要業績評価指標)というものを定義します。
今回のKPIは
- スクラボ というWEBマガジンへの、飲食店様の掲載依頼を増やす
- スクラボを通して、デリバというアプリ内でのテイクアウト注文数を増やす
といった2つのKPIでした。
そのためにも、ユーザーが画像だけで満足しないよう、インスタグラムだけで満足しないよう、ユーザーが続きやリンク先を見たくなる様なテキストをあえて指定しました。
内容が薄ければフォロワーはつきませんし、内容が濃ければユーザーはインスタグラム内で満足・完結してしまうので、
この辺りのさじ加減が一番難しいですが、とても大切な部分です。
また、テキストだけでなく、アイキャッチ画像にも同じ事が言えます。
ユーザーの目に留まる事と同じくらい大切なのは、「詳細が見たくなる、興味が湧くアイキャッチ画像」であることす。
「フォロワー数やいいねの数は多いけれど、全然購入につながらない」といった方は、是非上記の点を意識してみてください。
15日〜30日ほどで、SNSからの購買に繋がる結果が得られるはずです。
また、前述の通り、ザイオンス効果とは「消費者(ユーザー)がコマーシャルに7回接触すると、その商品を選ぶ確率が上がる」といった効果です。
まずは初日、2日後、3日後と、着実に投稿やアカウントをユーザーの目に入れ、同じユーザーに7回以上印象付けることができた頃には、「注文」という行動をユーザーが起こすように誘導しなければなりません。
例えば今回は初日で、ユーザーの目にとりあえず留めてもらえれば…と思って作業していましたが、
今日以上の作業を、継続して続けなければいけません。
また今日の実験に使ったアイキャッチ画像やロゴ画像は即席のもので、デザインもあまり良くないので、
人材も時間も準備し、デザイン性の高いアイキャッチ画像やロゴ画像にする必要があるでしょう。
いわゆる「PDCAを回す」といった作業ですね。
画像も、テキストも、アイコンも、しっかりと定量的なデータを取り、常に改善を続ける必要があります。
ここまでご覧いただいた方は、本当にSNSマーケティングにご興味がある方だと思います。
次回また本コラム内で、【SNSマーケティング特集 その②】を掲載しますので、今しばらくお待ちください。
本日のSNSマーケティング実験で意識した、その他の施策 + まだ実験前の施策まで、
次回のSNSマーケティング特集でご紹介したいと思います。