公開日:2026.09.25 更新日:2026.09.25
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
ソラノデザイン合同会社、代表の角田です。
以前、「利益相反がない働きやすい組織づくり」というコラムを書きました。
自社の採用と組織づくりについて考えていることを、そのまま書いた記事です。
今日はその実務側、採用サイトを作る前に決めておくことについて書きます。
石川県の採用市場は、率直に言って、そこまで甘くはありません。
母数が限られている中で、県外に人が出ていく採用市場。
その中で、WEBで何ができるのか。
私なりに考えて努力し、現実的な答えを考えました。
目次
採用サイトは、求人媒体の代わりにはなりません

最初に、期待値の話をします。
採用サイトを作れば応募が来る、ということはありません。
なぜなら、仕事を探している人は、まず求人媒体を見るからで、
自社の採用サイトにいきなり辿り着く人は、ほとんどいないからです。
では、採用サイトはいつ見られるのか。
求人媒体で興味を持った人が、社名を検索したときです。
これが、コーポレートサイトの構造とまったく同じであることに気づかれると思います。
採用サイトの役割は、「応募を集めること」ではなく「応募をためらわせないこと」です。
応募がためらわれる、4つの理由

では、人は何をためらうのか。
私が採用で相談を受けるとき、整理している要素がこれです。
- ①一緒に働く人が分からない:どんな人がいるのか
- ②仕事の中身が分からない:1日何をするのか
- ③続けられるか分からない:残業、休日、産休、転勤
- ④成長できるか分からない:3年後、自分はどうなっているか
求人媒体はフォーマットが決まっているので、特に①と④が書きづらい構造になっています。
そこが、採用サイトで埋めるべき場所です。
「社員インタビュー」は、書き方を間違えると逆効果

採用サイトといえば社員インタビュー、という流れがあります。
ただ、正直なところ、多くのインタビューは読まれていません。
理由は、全部が良い話だからです。
「風通しが良くて、成長できて、やりがいがあります」
これを読んで応募を決める人はいません。情報量が実質ゼロだからです。
読まれるインタビューには、必ずこれが入っています。
- 入社前に不安だったこと
- 実際に入って、思っていたのと違ったこと
- 今も大変だと感じていること
- それでも続けている理由
3つ目を書けるかどうかが、分かれ目です。
大変なことが書いてあるサイトのほうが、信じられます。
そして、それを読んだ上で応募してくる人は、入社後のミスマッチが起きにくくなります。
採用の本当のコストは、採用活動そのものではなく早期離職だからです。
だから、応募数を最大化するより、合わない人に応募させないほうが、経営としては合理的です。
「求める人物像」を、能力ではなく相性で書く

もう一つ、よくある問題です。
求める人物像に、こう書かれていることが多いです。
「主体的に行動できる方」「コミュニケーション能力の高い方」
これはほぼすべての会社が書いているので、応募者にとっては判断材料になりません。
必要なのは、自社特有の相性です。
例えば、こういう書き方になります。
- 「一人で黙々と進めるより、常に誰かと相談しながら進めたい方に向いています」
- 「決まった手順を正確に繰り返すことが得意な方には、少し落ち着かない環境かもしれません」
- 「未経験でも構いませんが、覚えることは多いです」
向いていない人を書く。
これも、勇気が要ります。
でも、これを書ける会社は、自社を理解している会社です。
そして、読む側にはそれが伝わります。
地方の採用で、実は一番効く情報

石川県内で採用をやっていると、はっきり分かることがあります。
生活の情報が、想像以上に見られます。
特に、県外からのUターン・Iターンを狙う場合です。
- 通勤方法(車通勤か、駐車場はあるか)
- 実際の勤務時間と、繁忙期の様子
- 周辺にランチを食べる場所があるか
- 子育て中の社員がいるか、どう働いているか
- 冬の通勤はどうしているか
最後の項目は、地元の方には当たり前すぎて書かれないのですが、県外から来る人にとってはかなり大きな不安です。
「自分がここで生活している姿を想像できるか」
地方採用は、仕事の魅力だけでなく、この想像で決まります。
採用サイトを「作るべきか」の判断
最後に、身も蓋もない判断基準を書きます。
採用サイトを作る価値があるのは、こういう場合です。
- 継続的に採用する予定がある(毎年、または複数名)
- 求人媒体に出稿している、または出稿する予定がある
- 社内に、写真とインタビューに協力してくれる社員がいる
逆に、こういう場合はコーポレートサイトの中に採用ページを1枚作るだけで十分です。
- 数年に1人の採用
- 紹介・縁故が中心
- 社員が写真を出したがらない
無理に作っても更新されないまま古い情報が残ってしまいますし、古い採用サイトは、無いより印象が悪くなります。
これは正直にお伝えするようにしています。
まとめ
整理します。
- 採用サイトは応募を集める場所ではなく、ためらわせない場所
- インタビューには「大変なこと」を入れる
- 求める人物像は、能力ではなく相性で書く。向いていない人も書く
- 地方採用では生活の情報が効く
- 継続的に採用しないなら、1ページで十分
採用は、会社の内側がそのまま出ます。
良く見せようとすればするほど、逆に伝わらなくなる領域です。
弊社も、組織づくりについては試行錯誤を続けている最中です。
だからこそ、飾らずに書くことの効果は、実感として持っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。