公開日:2025.02.17 更新日:2025.02.21
ソラノデザイン合同会社は4年目の会社。
WEB制作事業に、インテリアショップ事業に、
事業的には本当に順調に成功を収めてますが、
実は一度、組織構築に失敗しています。
一度正社員さんを雇ってみたのですが、うまくいかなかったんですね。
それからは個人事務所 + 業務委託組織といった形で、会社を形作ってきました。
先輩経営者さん曰く、
「そもそもたった4年でWEB制作会社も立ち上げながらインテリアブランドも作ろうとかいう、
無茶苦茶な創業期について来れる人なんて、金沢にそうそういない。」
と。
先輩からは当時そんな暖かい?フォローをもらいましたが、
私の中で組織構築失敗は、結構心に傷な出来事でした。
とはいっても大人数ではなく、数人でやっていたんですけどね。
以前正社員さんを雇わせていただいたのは、
言い訳するとまだ私が20代の頃の採用活動だったのですが、
面接で「ここを見てなかったな」「甘かったな」と明確に言語化できる点があります。
「求職者と会社が利益相反していないかどうか」を見ていなかったです。
逆にここさえしっかりすれば、
働く側も会社側も幸せだったなと思っています。
なので最近出させていただいてる久しぶりの正社員求人では、かなりここは重視していますね。
利益相反。
仕事での赤字・黒字は気にしたくないライフスタイルの方を雇用し、
なぜか絶対赤字を出しちゃいけない、キャッシュエンジン事業部に当てプレッシャーを与えるとか。
数字を追いかけるのが苦手で好きじゃない子を、
数字を追いかけなきゃいけないフェーズに雇用しプレッシャーをかけるとか。
極端に言えばそういうことなんです。
採用業務の怠慢や、経営力不足、センスのない経営って。
なにを経営力不足かと定義するかにもよりますが、
利益相反がある採用を行うと、
ただでさえ会社に利益が生まれない「構造」を「採用」で経営者が作ってしまってる上に、
お互いモヤモヤした気持ちのまま過ごすので、
相互理解も生まれなければ、生産性も下がっていく。
これは経営力不足と言えるなと、今なら思えます。
年収400万で満足な子に、「もっと頑張んないと年収600万にいかないぞ」と言っちゃうとか。
そこまでデザイナーになりたいと本当は思っていない子に、
「そんなんじゃ立派なデザイナーになれないぞ!」とかもそうですね。
休暇のとりやすさを求めて働いている子に、
「ゴリゴリ一緒に働いて、世の中を驚かせるデザインをクリエイトしようぜ!」とかもそうです。
この業界にも蔓延る、
あるあるのマネジメント失敗パターンだと思います。
でも世の中を驚かせるデザインを作ろうとするのも、
休暇のとりやすさを求めるのも、どちらも悪くない。
結論、利益相反してるかどうかなんですね。
年収より職務内容が大事な子に対して、
「なんでそんな営業成績なんだ!もっと結果出さないと年収上がらないぞ!」
とかもそうです。
丁寧に仕事をするのが好きなタイプの子に、数をこなすことを求めるとかもそう。
最近、久しぶりに面接をして改めて思ったんですが、
その人その人によって求めているものも求めているライフスタイルも、
まるで違う。
どんな勤務態度で、
どんなモチベーションで、
どんな事を目標にしてて、
どんな未来を掴みたくて、
どんなワークライフバランスで、
何に幸せを感じて。
「この子が職場に対して求めている事は何なんだろう」としっかり見て、
利益相反しないか判断する。
何を求めているかわからない場合は、採用しない。
人それぞれ幸せは違うので、
「その子が自分の幸せを追求することで、会社も成長する、会社も黒字になる。
そんな利益相反しない子を雇う。」
事が組織構築において大切だと、過去の失敗から学びました。
なのでいい人だなーとか、物腰柔らかいなーとか、
スキル高いなーすごいなーと思っても、
利益相反しそうなら、採用しない。
今回の求人ではそう決めています。
お互い不幸になるだけです。
昔、組織がうまくいかなかった当時は、
マネジメントの問題かなと当時思い悩んでいたんですが、
そんな日々が過ぎ去り、
今振り返って冷静に考えると、
考えれば考えるほど、
「採用」でミスしていた。
もっとちゃんと言葉にすると、
経営者=当時の私の採用業務に怠慢があったと捉えています。
前回うまくいかなかった組織構築の事を思い出して、
頭の中で「あの時あの人にこう指示してたらうまくいったかな」とか色々条件分岐してみたんですが、
どうやってもうまくいかなかっただろうなと思います。
顕在化した問題が解決しても別の問題が起きてたでしょうし、
どうやっても、コミュニケーションのズレは起きただろうと思います。
しかし以前働いていた人たちが悪いというわけでなく、普通にいい人でした。
ではなぜか。
私の採用に怠慢があったから、
利益相反といった視点で見ていなかったからです。
その人が自分の価値観を貫けば貫くほど、
我が道をいけば行くほど、会社が倒産に近づく。
そんなのは利益相反ですし、マネジメントでどうにかなる問題じゃない。
マネジメントは、当たり前ですが人の価値観までは変えられない。
上司からの指示で価値観まで変わる子がいたら寧ろ心配になりますし、
価値観を変えようとする上司もやばい。
スタッフの個人の価値観や、個人の幸せを、尊重すればするほど、
会社も黒字になる。
価値観を変える必要がない子を採用をする。
そういう採用をするべきだったなと、考え抜いた結果、結論づけました。
つまり、今回採用させていただくのは、ソラノデザインと利益相反しない人。
こんな事を言えるほど、
立派な人間でも良い人間でもないですが、
でもやっぱり、
雇用するからには、幸せに働いて欲しい。
「価値観を変える必要がない人を採用する」事は、
会社がスタッフさんに提供できる、最初の優しさだと学びました。
例えばインテリアが好きな子に、「インテリアにもっと詳しくなって!」ってマネジメントは、
これはむしろポジティブです。
「OKまかせて」って感じですよね。
多様性を認める、良い組織にするということは、
誰にでも合わせる、どの価値観も受け入れるという意味ではなく、
「利益相反しない人と一緒に働く」事が、一番再現性の高い「多様性を認める」だと思うんですね。
その子が自分の価値観ややりたい事を突き詰めれば突き詰めるほど、
会社も成長する。
そういう採用が人を幸せにすると。
そういった採用活動をして、ズレを最小限にとどめた上で、
残ったズレは「器」「許容」で解決する。
それが理想だなーと思っています。
お互い、「許容」にも必ず限界がありますから。
ものすごい極端な例え話をすれば、職場の人の為に命を落とせますかと言われると、誰もが当たり前にNOだと思うんです。
そもそも許容しなきゃいけない「ズレ」を最小限に抑え、「許容範囲内」にする努力。
それが「採用活動」なんだなと感じています。
器とか経営力とか、定性的なもので受け入れるのではなく、ちゃんと「設計」し「許容」する。
その上で年齢や経験を重ね、器や、経営力を磨く。
今の所そういう上司を目指そうと結論づけていますね。
無理して許容するのにも限界がありますから。
そもそも許容 = 抱え込む量を増やしすぎない努力を予めしておく。
どんな人を求めているか、どんな人が利益相反しているのか、
ここに書きすぎると、面接で悪用されたり演技されそうなので伏せますが、
このコラムで何が言いたいかというと「採用基準は利益相反しない人」という事。
会社が提供できるものが、
ちゃんとその子の将来につながる事。
その子の求める幸せにつながる事。
そして、求職者さんが提供してくれる労働やスキルが、
会社の将来や成長につながる事。
そう確信できる方と、一緒に働けたらなと思っています。
今回、採用ではここを絶対に外さないようにしています。
ここを外すと、
スタッフは自分の幸せや働きやすさしか見ないですし、
会社は会社の利益しか見ない。
そんな「お互いを全く見ない」関係に、
会社とスタッフがなってしまうと思います。
20代の頃の採用では、忙しいから5人以上面接しないとか、
情がわけば採用しますとか、
経営者としてはそれくらいのダメっぷりだったんですけどね。
今回はかなり数をこなしています。
数が多ければ良いってものではありませんが。
シナジーがある方に正社員として入っていただき、
出来立てのインテリアブランドを、全国に広げていったり、
実店舗を石川県に作ったり、そんな向こう3年が過ごせたらなと思っています。
インテリアショップのほうは2年でフォロワー6万人なんで、まだまだ伸び代があります。
シンプルに魅力として、
「インテリアブランドを作る」って業務内容は楽しいです。
「WEB制作会社」として地域貢献するのも楽しいです。
レバレッジもあります。
手に職がつきます。
私は経営者なんでたまに夜事務所に残っていますが、
基本残業もありませんしあっても少なめです。
インテリアショップの拡大、
WEB制作会社の拡大、
手伝ってくださる方やご興味のある方のご応募、
どしどしお待ちしています。
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余談
最近30代になりオジ化してきて思うのは、
人間誰しも、「行き着くべき場所に行き着くな」って感じますね。
ソラノが合わない人がソラノに入社しても、そのうち出ていくでしょうし。
ソラノが合うなら、残るでしょうし。
欠点もそうです。
昔、正社員モデルでの組織作りで失敗したと書きましたが、
当時の私に経営者として「欠点」があるから、それに気がつく為に「失敗・苦労した」と捉えています。
その後半年ほど考え続け、答えを見つけ。
今の価値観 = 今の採用基準に行きつきました。
「行き着くべき場所に行き着き」ました。
知り合いの社長さんの事業とかも。見てて思うんですよ。
本当にその事業やりたかったら、もっと量こなしてるし現場見に行ってるはず。
本当は別のことやりたいんだろうなとか。
あの事業は伸び悩むだろうな、とか。
うちで言うと受託業がそうかもですよね。
本気で受託が好きなんだったら、年商や従業員数が多い会社が好きなんだったら、
受託一本で既に組織拡大してるよねとか。
東京進出しますって会社さんも、本当にしたければ流石に不動産くらい借りてるよね、とか。
仕事も年商も年収も人数も。採用も就職も人間関係も。
「行き着くべき場所に行き着く。」
変な国や時代、環境に生まれてしまう、
もしくは戦争や災害、事故などの、
大きな外的要因はもちろんありますが。
そういうのを除けば、
ある程度のモノゴトは、「自分に足りないから or 自分が望んだから起こる現実」な気がしてます。