公開日:2024.11.25 更新日:2024.11.25
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
ソラノデザインの角田です。
寒くなってきましたね。
私は冷えから来るのか、久々の腰痛に苦しんでいます。笑
本日は、先週考察していた、
「WEBメディアを持つものとしてこれから何に投資していこうか」という課題に対して、
ある程度自分の中で結論が出たので、
せっかくなのでコラムにしていこうと思います。
頭の中の言語化にコラムやSNSを使うと、より整理されるので最近マイブームです。
対外的にもわかりやすい言語に変換する過程でより自分にも深くインプットされると言いますか。
それでは書いていこうと思います。
WEBメディアを持つものとしてこれから何に投資していくべきか
弊社はWEB制作事業、通販事業の2軸を行う個人事務所のような制作会社。
WEB制作事業 = BtoBでのお客様を集めているこのコラムと、
もう一つ通販ブランドで約5.5万フォロワーのインスタアカウントを持っています。
この2つを「メディア」と呼ぶのであれば、
どうても避けられないのが「これからメディアはどうなるのか」といった考察です。
少し時間が取れたので、先日真剣に考えてみました。
昨今、一時期オウンドメディアで儲かった時代や、
コンサルや受託で儲かってた時代に比べて、
「自社メディアの立ち上げ」も「個人の独立」も、
テック的な意味でも心理的な意味でも参入障壁が下がり過ぎているため、
単に”ユーザーとのタッチポイント”や、
“マネタイズポイント”としてのメディアや屋号というのが、
もう自分にとって投資すべき対象ではなくなってきた、
というのが私個人の結論です。
メディアというものの価値を定量的に認識するために、
ニューヨークタイムズ社のIRを見てみました。
すると、あのNYT社ですら売上の柱は”メディア”ではなくなってきてる事に気がつきました。
インスタの1アカウントを一つのメディアだとするのなら、
5年前にインスタでスケールしたブランドと、
2024年にインスタでスケールしたブランドとでは同じスケールでも大きく意味は違い、
今のスケールには当時の10%ほどの価値しかないと感じています。(肌感覚で正確な数値ではありませんが)
これはよくビジネス書にあるような、”先行者利益”といった側面もありますが、
いま言及しているのはそういった文脈ではありません。
“メディアを作る参入障壁の異常な低下”といった文脈で、本コラムでは考えています。
前述の通りメディアの数といった意味でも、参入障壁といった意味でも、
時代が全く違ってしまっているのは皆さん感じてらっしゃると思います。
実際にメディアのスケールにより得た収益を投資したときのリターン、
もっとわかりやすく書きますと、
「メディア単体で上げられる収益でのキャッシュフローでメディアをスケールさせていく場合」
といった意味で、
現代のメディアを取り巻く環境では、
今からスケールするメディアは5年前にスケールしたメディアと同じ成長曲線は描けないと感じています。
(時代が違うだけで全く同じ実力やブランドであったと仮定しても)
スケールできないといった意味ではなく、成長曲線の話です。
また、個性を出すのが難しい今の時代。
ポコポコと乱立してる個人インフルエンサーのアカウントも1メディアとするのなら、
自社のメディアの差別化に投資し、存在意義をインターネット上に見出すコストを払うなら、
年々上がっていく”コンテンツのクオリティ”に制作費や人件費を投資するなら、
「乱立しているメディアに、自分の伝えたい情報を乗っけて発信する座組。」
それを見つけたり作ったりする方が良い。
私はそう結論づけました。
リーチしたい層にリーチできるメディアが、作らなくとも既に世の中に沢山存在してる。
そしてそれら沢山のメディアは、ペルソナもコンセプトも細分化されており、
1メディアがリーチできる数は限られているがより深くユーザーに刺さっているため、
それらに帰属するユーザーを一括りにするメディアを作る事に再現性がない。
その背景にはコンテンツが飽和した事による細分化があり、
細分化されたメディアの方が、ユーザー数の兼ね合いからマネタイズは上手くいってなくとも、
情報を伝達する能力が高いと感じました。
派遣会社が飽和し「〇〇専門の派遣会社」といったふうに時代と共に細分化が進んだ現象に似てると思います。
同じような事がメディアに起きていると。
私のような中小が行えるような中途半端なキャッシュや投資額では、
単一のメディアが当時のような価値を持つ事なんてない。
というのも「メディアの質」もハードルは高く、
コンテンツがあらゆる細分化された領域でまで高品質になってきているので、
差別化なんて単語は既に過去の流行語となっていて、
結局札束で殴り合わないといけなくなりつつある。というのが持論です。
(もちろんプロダクト立ち上げ時、ペルソナが明確になるまでは自社メディアはマストですが。)
そこで出た結論が、
「乱立しているメディアに、自分の伝えたい情報を乗っけて発信しスケールする」
という方向性です。
「自社メディアのコーポレートサイト化」といった側面もあると思っています。
自社メディアは自社メディアで名刺がわりに必要です。
ただ、伝えたい情報は自社メディアでの発信に拘らなくていいと考えています。
もちろん求められるメディアの質が上がったように“求められる名刺の質”も上がったので、
自社メディアも大切にしますが、、
“自社メディアを大切に運用する”の意味が5年前とは違うと考えています。
今は”他メディア”にいかに発信したい情報を載せられるかのゲームかなと。
私にもコンコルド効果 = 投資してきた対象を肯定したくなる心理は働くので、
これまでメディアに投資してきた人間としては、
「”他メディア”にいかに発信したい情報を載せられるかのゲーム」といった事を言いたく無いのですが、
ただそこはマクロに捉えるべきかなと考えています。
なにせ経営戦略ですので。
そして“1他メディアでの1情報の発信にかかる費用”をいかに下げられるか。
そこも真剣に考え始めました。
かつてCPCを追っていたような感覚で、その数字を追わなければならないと思っています。
ここの戦略はプロダクトごとにケースバイケースなのでコラムでは割愛します。
カーネギーさんの有名な著書にあったように、いかに部下を動かせるかも大切ですし、
まだまだ若手経営者の自分にとって課題となっている不得手なスキルでもあります。
インターネット産業の黎明期のように、いかにテック的な側面で、
プロダクトを自由にデザインできるかももちろん大切だとも考えています。
デザインソフトを使って上手くデザインしたり絵を描いたり、
プログラミングやサーバー構築等、これまで私が学んできたようなハードスキルですね。
しかし、
「自分以外のメディアを動かせる力」
「情報の伝播を生み出す能力」
「組織を作る力」を手に入れることに
この3軸に30代は
キャッシュや時間を流していこうと決めました。
必要であり苦手な分野だと思っています。
24の頃業界に入って7年ですか。
プログラミングやデザイン、ディレクションといったハードスキルへの自己投資は、
一旦今年で終わりにしようかなと思っています。
もちろん、求められる品質を担保するためのインプットはしますが、
自己成長や自己実現の一環で、実務で使わないスキルを習得することは辞める、といった意味です。
マクロに見てると、オウンドメディアでのコンテンツマーケで大きくマネタイズできてた8年前〜5年前と違って、
単体の新規に勃興したメディアであげられる収益のトップラインははるかに下がってるように感じます。
(”コンテンツ”を”発信したい情報”と定義するのなら)
自社ではない他のメディアからも、自社のコンテンツを発信できるかどうか。
そんな勝負を仕掛けていきたいです。
その下層KSFに人脈力なんていう、アナログな能力が登場する皮肉はあるだろうとも思います。
5年前くらいにフリーランスが流行り、個の時代が来た結果、
複合体としての情報発信や集客力が、結果的に力を強めるなんて皮肉だとは思います。
個人であれ法人であれ磐石な体制や強さや権力は、
ある種の安心・安定に繋がるのは間違いのない事実で。
そしてコミュニティ内での市民権とは反比例して、
資本主義上ではマイノリティにしか得られない利益=強さは多いと感じています。
手に入れる過程に倫理観さえあれば、
強さを手に入れる事を恥じる必要はない。
2024年は個人的に価値観の変容があった年でした。
今の私が大切にしているのは、
自分が無理せず仕事し「余裕」を大切にする事、
自分に「余裕」があっても回る「設計」にする事、
そして「人は変わらないから人が動く構造で経営する」ことの3つです。
この3軸を学んだ事。
元々多様なハードスキルは持っていた私が、
ここを反省から学べた事はメタで認知しても強いと思っています。
月収や週休等、
一度は軽んじてしまったこの安心と安定を、
これからの人生では強さをもって、生涯継続する、そう決めています。
そのためにも、色々と考え、失敗し、学び、
事業に繋げていきたいですね。
以上、「WEBメディアを持つものとしてこれから何に投資していこうか」といったテーマのコラムでした。
ここまでお読みいただきました皆様、
ありがとうございました。