公開日:2026.05.15 更新日:2026.05.15
いつもご覧いただき誠にありがとうございます。
ソラノデザイン代表の角田です。
相変わらずの毎日。
制作会社を立ち上げ後、
通販事業や、
店舗を出店したりと、
本当にバタバタの起業後の5年間でしたが、
起業時とは価値観や見えるものも違ってきたので、
コラムを書いてみようと思います。
当然、私たちは企業。
今いるスタッフひとりひとりに、生活がある。
将来もある。昇給や、実現したいことも。
当たり前ですが、企業は売上・利益を上げないといけない。
そこだけは絶対に追い切る。
5年間、様々な思いをして、より強く感じています。
結局、売上・利益があれば、解決すること、満たせることは多い。
そんな「企業の血液」である売上・利益。
では、その売上・利益に対して、どう向き合うか。
そんなテーマのコラムです。
目次
「独占」の大切さ
まずこの頃、近しい同級生の経営者とよく話すのはこの話題です。
「競争」では儲からない。
「独占」でないと、大きな利益は出ない。
そして「独占」とは、
既存のマーケットにただ参入するだけでは、絶対に手に入らない。
「適切な領域選定」と「適切なタイミング」でないと。
多くの成功企業は、実質的な「独占」を作ってきました。
インスタの投稿者がまだ少ない時期に、センスのある写真を投稿し続け、認知を独占する。
Twitter広告のCPAが異常に安い時期 = ほとんどの企業がまだTwitterに広告投資をしていないタイミングで、広告を回し切り、異常なCPAで顧客基盤を作り、リピート商材の市場を独占する。など。
もっと大きな枠で言うと、検索システムを作る、大型ECプラットフォームを作るなどもそう。
独占。
「時代の追い風」も、努力も使い、「独占」を作る。
独占禁止法もあり、「独占」に関してはネガティブな印象がありますが、
「独占」こそが、企業に利益をもたらし、中長期での高水準な安定をもたらす。
様々な会社やIRを見ていて、これは事実であると、確信しています。
どの企業も「差別化」を行うのは、自分が支配できる市場を限定し、独占を実現するためです。
そして、経営において、「安定」。
これがどれだけ大事か。
数年前、私は身をもってその事を実感する経験をしました。
もっと徹底的に、売上利益を追求する組織にしなければ、
弱った自分に対しても何もできなければ、休むこともできないし、スタッフにも何もできない。
甘さも妥協も、足元をすくわれるだけ。
独占と数字が、全ての安定につながる。
そういう視点では、弊社の小売事業も、WEB制作の事業も。
まだまだ既存市場に参入したにすぎず、独占ではありません。
独占とは程遠い、「競争」型のポジション・事業です。
「競争」型の事業は、努力で作れてしまう
弊社がやっているような「競争」型の事業を立ち上げるのは、
「独占」型の事業を作るのに比べ、難しくありません。
ネット上に無数のレビューやデータがあり、
全てAIに読み込ませれば、エンドユーザーのインサイトの大枠は、数時間で可視化できます。
マーケティングをハックするのも良いでしょう。
やり切り力さえあれば、ロジックは本を読むまでもなく、ネットに大量に落ちています。
こういった既存市場は、
ある程度の努力と地頭があれば、
あとは何か「競合に対する異常値」を出すだけで成功します。
それはフォロワー数でもいいし、CPAでもいい。
SEOでも、営業力でも、愛嬌でもいい。
代理店様への折衝力でも、ストレス耐性でもいい。
いわゆる4Pと言われる、
プロモーション、プロダクト、プライス、プレイスのどれかで、
何か「異常値」を出せれば、小さなビジネスは作れる。
ソラノデザインがまさにそうで、
弊社はSEOやSNSマーケのスキルで、どの事業でも他社よりCPAが異常値。
このブログを含め、こつこつ積み上げるコンテンツマーケの「継続力」が異常値。
そしてそれを、クライアント様に還元できるプロダクト力も異常値で、
それを東京でやらないというプレイスも優位性があり、
プライス部分でもコストリーダーシップ戦略をとり、異常値。
私にとって最初の事業だったので、ビビリな私は保険に保険を重ね、
マーケティングの4P全てに異常値を出す設計で、
ソラノデザインのWEB制作事業を立ち上げました。
ただ、ここで強調したいのは、
「努力で作れてしまう事業」は、裏を返せば、
「参入障壁」が努力のみで、誰にでも作れてしまうというデメリットです。
参入障壁が、自分の努力量や知識量でしかない。
それは、いつか必ず追いつかれるということでもありますし、
ソラノデザインのトップラインの低さを、自ら露呈しているようなものです。
そして企業は、安定のために、
この「参入障壁」を作らなければならない。
参入障壁と、差別化と。
この頃どの事業を経営してても思うのが、
もっと私は、この「参入障壁」「差別化」という言葉を深掘りすべきだということです。
なぜ、どの事業でも、「差別化が大切」と言われるのでしょう?
私は、差別化と参入障壁の本質は、3軸あると思っています。
- 自社が戦える戦地を決めること。強者がいない領域で戦う。
- 利益が出る場所に事業を構えること。
- その場所に他社が入ってこないような「塀」を作れること。
利益が出て、社員の給与や会社の利益、スタッフの昇給が安定しても、
それを守る「塀」を作れるか。
差別化戦略において、私が今持っている事業は、
ここがまだまだ甘いです。
もちろんネットワーク効果や、ブランドの信頼など、
定性的な「塀」も機能はします。
しかし、誰か資本や能力がある会社が、
本気でその領域に参入した場合、今の領域を守れるかというと、
心から自信はないというのが正直なところです。
事業が伸びれば伸びるほど、屈強な「塀」が醸成される事業かどうか。
という視点で、私はビジネスモデルを選定しませんでした。
例えばわかりやすく言えば、Googleは事業の成長とともに、自然と「塀」が作られる領域にいました。
検索エンジンは、シェア率が上がれば上がるほど、
他社の参入が難しい領域だからです。
昔はフォロワーが塀になると考えブランドを作りましたが、
今はSNSのアルゴリズムの変化で、フォロワーが「事業を守る塀」にならない。
横っ風が吹けば、崩れるような弱い「塀」です。
- 他社との違いを明確にする
- 利益が出る領域を見つける
といった「差別化」はやってきていましたが、
私はこれまで、この「事業を守る塀」といった視点で、
差別化をできてたかというと、弱さと甘さがあった気がします。
そしてその「塀」は高ければいいというものではなく、
叩かれても倒れない「屈強な塀」でないといけない。
事業やスタッフを守るべき立場の仕事をしていたのにもかかわらず、
この視点で事業を見れていなかったのは、
大きく反省です。
過ちは繰り返したくはないですね。
事業の成功には、2種類ある
ここまで経営してきて、ひとつ気づいたことがあります。
成功している経営者・事業家を見ていると、
大きく2種類に分かれると。
ひとつは、時代の流れが、上手くやってきた人。
本人の実力もありますが、
「ちょうどそのタイミングで、その市場にいた」という要素が大きい人。
もちろん本人の努力と才能を、尊重しないような非礼はしません。
しかし、事業において「タイミング」「時代」はとても重要なんです。
「今、このタイミングでその事業をやる理由は何か。」
という問いに完璧な答えを用意できるかどうかは、
2025年以降、私が新規事業立ち上げを行う上での重要な問い(自問自答)になりました。
そしてもうひとつの成功者とは、
時代の流れを読み切り、設計のもとで、その流れに乗った人。
つまり、
- 努力している領域で「時代の追い風」があった成功者
- 「次の時代の風向き」を予想し「追い風を利用した」成功者
後者の経営者は「これから何が起こるか」を逆算し、
意図的に、独占できるポジションに賭けにいった。
さらに言えば、「10年後もこの事業が続く理由」まで言語化し、
適切なタイミングで、賭けに行っています。
私は本当に、後者の経営者はレベルが違うと思っています。
もちろん、後者にも生存者バイアスがあります。
しかし、狙って成功したものはいる。
前者と後者は、結果だけ見れば同じ「成功者」です。
しかし、再現性がまるで違う。
もし欲を言って良いのなら。
そして私が目指したいのは、後者です。
大切なのは、市場選定
別軸ですが、5年間やってきて、一番痛感しているのがこれです。
事業の成否は、能力よりも市場選定で決まる。
これは、数年前の自分には見えていなかった景色です。
昔は「努力すれば、能力さえあれば、なんとかなる」と思っていました。
しかし、それは違いました。
私の努力や、自認する現場での能力なんて、マクロで見たときに大きな意味はなかった。
市場選定が天井を決め、執行が天井の下のどこに着地するかを決める。
プライドや自己顕示欲を守るために、その事を否定していた20代の自分が、
若く可愛くも見えますし、未熟で愚かだとも感じます。
能力がある人が、間違った市場で努力すると、むしろ大きく失敗する。
という言葉を聞いた事があります。
能力がない人なら、間違った市場でも、小さく失敗して撤退できる。
でも能力がある人は、間違った市場でも「そこそこ戦えてしまう」。
だから、撤退の判断が遅れる。
時間と労力と資本を、衰退していく市場に注ぎ込み続けてしまう。
現場での能力は、状況によっては「足かせ」になる。
正しい市場を選んで初めて、能力は「武器」になる。
これは33歳の今の自分でないと、
冷静に言語化できなかったと思います。
大切な気づきです。
中長期での安定を得るために
もし「目先の安定」だけが欲しいのであれば、答えはシンプルです。
マーケットインで、既存の市場に後発で参入すればいい。
需要があることは、すでに証明されている。
あとは「競合に対する異常値」を一つ作れば、食ってはいける。
弊社が、まさにそうやっています。
今、私たちがやっていることです。
しかし、
それでは、大きくは儲からない。
そしてなにより、私が喉から手が出るほど、
会社にもたらしたいもの。
「中長期での安定」が手に入らない。
「競争」型のポジションである以上、
利益率にも、トップラインにも、ビジネスモデルの美しさにも、限界がある。
そして参入障壁が努力量しかない以上、いつか追いつかれる。
会社の中で、少しでも「努力」が削がれた瞬間、みるみる停滞します。
しかし、中長期での「弛まない努力」は存在しないと、仮定するのなら。
だから、結論はやはりここに戻ってきます。
大切なのは、「独占」。
正しい市場を選び、
TAM・SAM・SOMをちゃんと見る。
その上で、時代の流れを設計のもとで読み切り、
本物のイノベーションで、競争のない場所をゼロイチで作る。
利益が出るだけでは安定にならない。
その利益を守る「参入障壁」を作り、「独占」して初めて、
「中長期での安定」は手に入る。
簡単ではありません。
アイディアと、「実行するべきタイミング」が重なり合うまで、待つ必要もある。
「競争」型の事業で食いつなぎながら、
時代の流れを観察し、読む力を鍛え、
「独占」を目指す時期。
今作るビジネスモデルは、10年持たないと、私にとって、会社にとって意味がない。
とはいえ、この文章では大きく出ましたが、
私が行う「独占」や「ゼロイチ」は、いきなり巨大な発明をするという意味ではありません。
まずは、誰も深く言語化していない生活者の感情を見つけること。
そして、その感情に名前をつけ、動画・文章・商品・体験を通じて、少しずつ文化にしていくこと。
小さな独占を見つけ、そこから同心円状に広げていくこと。
ゼロイチとは、そういう地道な営みなのだと思います。
私が今やりたいのは、まさにそれです。
なぜ、ここまで「成長」にこだわるのか
ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。
「そんなに成長、成長と言わなくても、いいんじゃないか」
「今あるもので、そこそこ食えているなら、それで十分じゃないか」
その気持ちは、すごくよくわかります。
最近は「もう成長しなくていい」「現状維持こそが平和だ」という考え方や価値観も、よく見かけるようになりました。
プライベートにおいて、その価値観は、心から理解できます。
しかし仕事をするにおいて、社会に出るにおいて、資本主義に関わるのならば、
その価値観は、私は違うと感じています。
人も、会社も、
成長が止まると、
「新しく何かを生み出す」ことをやめてしまいます。
新しく生み出すのをやめると、どうなるか。
「既存のパイを、奪い合う」しか、なくなります。
成長を捨て、
一見、「平等」や「平和」に見える状況に片足を突っ込んでも、
「皆よりこっそり楽したい」「うまく立ち回って、皆よりこっそり得したい」
という人は必ず現れ、
「既存の資産を、奪い合う」戦争になる。
誰かの昇給や誰かのボーナスが、
他の誰かの犠牲によって生み出されるようになってしまう。
いわゆる、ゼロサム関係です。
パイ(全体の大きさ)が大きくなっていれば、
みんなの取り分を、同時に増やすことができます。
でも、パイが大きくならないと決まった瞬間、
自分の取り分を増やす方法は、たった一つになります。
誰かの取り分を、減らすこと。誰かの負担を、増やす事。
これが、ゼロサムです。
会社の中なら、社内の足の引っ張り合い。
「私だけ少し楽したい。」
「私だけ少し得したい。」
そんな人も、感情も消えはしない。
なぜならそれが人間です。
私だって、気を抜いたら、すぐにそうなります。
業界の中なら、過剰な値下げ合戦。
業務なら、誰かから、都合良く労働力を搾取する。
夫婦なら、自分のための時間の奪い合い。
国と国なら、最悪の場合、争いごとそのもの。
土地や資源の奪い合いです。
成長が止まった組織や社会、コミュニティは、
優しくなるどころか、内側から、既存のパイを食べ合い、奪い合い、すり減っていきます。
毎年同じパイ(利益)しか出ていない会社で、誰かが昇給するためには、誰かの給料が減ったり、誰かの昇給が薄くなる。
成長していない国では、「今の年配の方々は得し過ぎ」と、情けない言葉がSNSで生まれる。
「あいつらの取り分を俺によこせ」と。
皆、声高に言うようになります。
「問題」や「利益の不振」が起きた時、
「一番簡単なのは、誰かのせいにする事」だからです。
歴史を振り返っても、例はいくらでもあります。
奪い合いの理由は、大抵、後付けで、
本質的な原因は、ゼロサム関係が生まれたこと。
大切なのは、ゼロサム関係が生まれぬよう、
全体の成長のパイを大きくし続けると同時に、
倫理観をもって分配することにあります。
昔は、経営者である自分が犠牲になればいいと思っていました。
自分が人よりパイを生み出し、皆で分ければいい。
皆は多少、楽しても構わない。
ただそんな甘い考えの限界も、経営生活の中で知ることになりました。
なぜなら、それは典型的な、ゼロサム関係の組織だからです。
何があっても自分なら耐えれるだろうという奢りはなくなり、
現実を直視して、再現可能な、経営を見つける。
今はそんな気持ちで、
仕組みづくりや事業作りに励んでいます。
まだまだ、うちの会社は、その領域を脱せていないからです。
しかし、
経営者がやることは、馬鹿な男気で自分を犠牲にすることでは無い。
徹底的に全体での成長を追い求めること。
そういった想いがあります。
ノーファイナンスが好きだった私が、
私の考える「正しい経営」のためなら、資金調達も厭わない。
そんな価値観にも変わったのも、5年間経営を、続けさせてもらえたおかげ。
悔しいことも情けないことも、経験させてくれた、全ての出来事のおかげです。
今、私は、こう考えています。
「成長を、ちゃんと追いかけること。」が、再現性のある、一番の平和主義。
成長とは、新しい価値を生み出し続けること。
新しい価値を生み出し続けるかぎり、奪い合いにならずに済む。
みんなの取り分を、同時に増やしていける。
ゼロサムにならなくて済む。
皆で成長の果実を分け合いながら、
皆満足して、暮らしていける。
もちろん、国なんて単位でそんな事を考えていません。
私の器を超えてます。
私は少なくとも、自分の経済圏だけでも、幸せにし続けられる成長が欲しいし、
ちゃんと中長期で、資本主義上で関わる人たちを幸せにできる経営者になりたい。
もう2年以上一緒に事業を考えてくれ、同じく成長を求める、今の社内外の仲間達との、経済圏です。
「現状維持が平和」なのではありません。
現状維持は、奪い合いのはじまりで、衰退は争いの始まりです。
人間は、そんなに綺麗な生き物じゃない。
「あの人より、ちょこっと得したいな。楽したいな。」「誰かのせいにしたい。」という感情が、
この世の中から消えることは、おそらく無いと思います。
誰かが実現しても、必ず、「そういう人が0人」にはならない。
もちろん、人間には美しい面もあるからこそ、
よく友人と飲みにいくのが趣味なくらい、
人が好きなんですけどね。
「あの人より、ちょこっと得したいな。楽したいな。」という感情が、
この世の中から一つもなくなる。
そんなことは無いからこそ、
歴史を見ても、今を見ても、
「”成長を止めること” が優しさ」だとは、
私は思えません。
成長を止めることは、誰かから奪うことを、ゼロサムを、静かに受け入れることです。
今、私が「独占」を作りたいとコラムで書いているのは、
ただ自分が大きく儲けたいから、ではありません。
(もちろん、儲けたい気持ちもありますが)
大切なのは、ゼロサムでない、職場にすること。
「奪い合う組織」にならない構造を作り、「新しく生み出す組織」でいること。
そこに泥臭い必死さがあっても、ドライな計算があっても構わない。
それが、この5年を通して感じた、自分なりの倫理観です。
33歳、起業して5年目。
5年前は「競争」のフィールドで異常値を出すことに必死でした。
それ自体は、別に間違いではなかったと思います。
でも、これからの5年は。
「競争」で食いつなぎながら、「独占」を設計する5年。
そして、時間やキャッシュの奪い合いは決して起こさず、生み出す側に回るための5年にしたい。
もしまだ、私が考えが甘かった頃、
関わった人たちに贖罪するならば。
同情を促すような、くだらない連絡をすることでも、
悲劇のヒロインを演じることでも、ありません。
徹底して、企業成長し、市場を支配し、独占することです。
人間の善意や、経営者の自己犠牲に依存した組織は長く続かない。
私を含め人は弱く、また、組織は放っておくとゼロサムになる。
だから経営者の仕事は、誰かの犠牲で成り立つ組織ではなく、新しい価値を生み出し続ける非ゼロサムの構造を作ること。
そのためには、競争に巻き込まれず、小さくても独自の市場を作り、利益が残る状態を設計しなければならない。
成長・独占とは、欲望ではなく、関わる人たちを奪い合いから遠ざけるための責任であると、今は気がつけています。
人間は弱い。
だから、善意や根性に頼らず、利益が残る構造を作る。
その構造が、人を守る。
そんな「独占」が、「人を雇用し、経営することだ。」と気がつき、今日もハードワークしております。