公開日:2025.09.06 更新日:2025.09.10
経営をしていると、本当にいろんな問題が次から次へと起こります。
資金繰り、人材、競合、ご依頼過多によるスケジュールの調整不可…。
どれも避けようがなく、時には「大変だな」と感じる瞬間もあります。
そんなときに、私自身を支えてくれている考え方があります。
それが「一の矢、二の矢」という概念です。
目次
一の矢とは
「一の矢」とは、現実に起きる出来事そのものです。
売上の変動、人員の入れ替わり、予定の変更、1日80件の調整依頼が偶然集まったりなど…。
制作会社を経営していると、これは避けようのない出来事であり、矢が飛んでくるように突き刺さります。
一の矢は避けられませんし、その傷はすぐには癒えません。
二の矢とは
一方で「二の矢」とは、その出来事をどう受け止めるかという心の反応です。
例えば「この経験から何を学べるか」「改善できる点はどこか」と前向きに捉えるか、それとも必要以上に自分を責めてしまうか。
ここに大きな違いがあります。
起こった出来事を頻繁に思い出し、夜悩んだり、日々の気分を落としたりするのは「二の矢」なんです。
現実問題、一の矢は避けられません。
しかし二の矢を自分で放つかどうかは、自分で選べる。
二の矢を打つのは、自分自身。
この考え方を知ってから、経営の困難に対しても以前より立ち向かえるようになりました。
経営における活かし方
例えば、進めていた取り組みが思ったように成果につながらないこともあります。
もっとこうしていれば…と後悔するような出来事が、自分を襲うこともあります。
これは一の矢。経営をしていれば避けられない現実です。
その際に二の矢を放つのを防ぎ「なんとか立ち向かう力」を残すのか、
それとも二の矢を放ち、必要以上に傷つき、逃げ出したり、
誰かのせいにしたり傷つけたりしてしまうのかで、大きく自分の人生も、経営も変わっていきます。
二の矢を避ける選択ができれば、新しい挑戦に踏み出す「器」を、少なからず残すことができると、私は考えています。
もちろん、一の矢を受けて傷ついた状態には変わらないですし、開き直ったりはしませんが、「改善の力」をどう残すか。
そんな視点は、とても大切です。
他責思考との違い
注意しなければいけないのは、これは「他責思考」とは違うといった点です。
大切なのは「倒れるまで負傷しない」という点であり、
二の矢を放たないというのは、
問題から目を背けたり、他責で捉えるという意味ではありません。
他責思考か、自責思考か。
ここも議論される事が多いテーマですが、
個人的には、「相手が悪い」とか「自分が悪い」とか、そんな次元の話を語ってるのではないと思っています。
全て自責でとらえないと、PDCAは回らないという事です。
世の中は変わらないので、変えられるとしたら自分のみ。
「こういう世界なんだな」「こういう確率でこういう事が起きるんだな」「世の中の平均値はこれくらいなのかな」といった現実から、逆算してPDCAを回す必要があるからこそ、大切なのは自責思考。
つまり、どんなに納得できないことでも、「PDCA」のためには「自責」という話です。
何度も何度も「世の中はおかしい」「あいつはおかしい」なんて思っていては、10億企業、50億企業なんて程遠い。
「こういう世界なんだな」「こういう確率でこういう事が起きるんだな」「世の中の平均値はこれくらいなのかな」といった現実から、逆算して経営を設計する。
偉そうにコラムに書きながらも、そんな器が私にはまだまだ足りていません。
修行中ですね。
なんとか次のフェーズにいきたいなと思っています。
一の矢・二の矢という考え方が与えてくれたもの
経営には波があります。
順調なときもあれば、逆風にさらされるときもあります。
そこで「一の矢は避けられないが、二の矢は避けられる」と知っているだけで、心の持ちようが大きく変わります。
問題は問題として受け入れる。その上でどう解釈するかは自分次第。
この価値観を持つ事で、長く仕事に向き合える原動力を、また一つ増やせると思っています。
まとめ
「一の矢、二の矢。」この考え方を知ってから、私は日々の経営の中で起こる様々な出来事に対し、必要以上に自分を追い込まないよう、少なくとも精神的には、自分が倒れないよう、意識できるようになりました。
一の矢は避けられない。しかし二の矢は避けられる。
一の矢が自分に放たれ、傷ついた後。
頻繁に思い出し、夜悩んだり、日々の気分を落としたりするのは「二の矢」なんです。
そして、二の矢を打つのは、他の誰でもなく自分自身。
カッツモデルとはまた違いますが、「概念」を理解する事で変わる現実もあるなと、
この価値観を学ぶ過程で感じ、ちょこっとコラムに残してみました。
事務所を移転して初週。
まだまだ私は蒼い経営者です。
もっともっと良い会社になれるよう、ハードワークしつつ。
この週末も、まだまだ良い会社を目指して精進してきます。
みなさま今後とも、ソラノデザイン合同会社を、どうぞ宜しくお願い申し上げます。